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杉田水脈コラムについて、自民党「性的指向・性自認に関する特命委員会」全役員に質問状を送付するも…

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 批判が殺到している「新潮45 20188月号」(新潮社)に寄稿された「LGBTカップルは生産性がないので行政が支援する必要はない」とする、杉田水脈議員の「『LGBT』支援の度が過ぎる」について、同議員が所属する自民党は「(杉田議員の)個人的な見解」であるとして、問題視しない立場を明らかにしている。

 自民党は、「性的指向・性自認に関する特命委員会」が20165月にまとめた「性的指向・自認の多様なあり方を受容する 社会を目指すためのわが党の基本的な考え方」の中で、「現在、性的指向・性自認の多様なあり方について、社会の理解が進んでいるとは必ずしも言えず、性同一性障害特例法の制度的な対応が行われたものの、未だにいじめや差別などの対象とされやすい現実もあり、学校や職場、社会生活等において、当事者の方が直面する様々な困難に向き合い、課題の解決に向けて積極的に取り組むことが求められている」と現状を認識、「当事者の方が自分らしい生き方を貫ける社会を実現するため、必要な措置を検討する」としている。

 この「基本的な考え方」に大きな問題があることはすでに多くの人が指摘をしているが(例えば、清水晶子氏、山口智美氏、竹内絢氏による「自民党の「性的指向・性自認の多様なあり方を受容する社会を目指すためのわが党の基本的な考え方」を読んでみる」)、少なくとも自民党が、現在の日本で性的マイノリティが差別を受けていることの認識ははっきりと記されている。それにもかかわらず、自民党は問題視しないという姿勢を打ち出しているわけだ。

 自民党にも、今回のコラムを問題視する武井俊輔議員のような議員もいる(差別問題も「いろいろな人生観」で済ませる自民党・二階俊博幹事長)。「性的指向・性自認に関する特命委員会」の役員となれば、党の対応を苛立たしく思う議員もいるのではないだろうか。そこでwezzy72618時に「性的指向・性自認に関する特命委員会」の役員を務めている全議員へ、杉田議員のコラムについての質問状を送付した(回答期限は2718時)。回答期限を長く設けられなかったため、質問内容は以下の4つに絞った。

■質問1
この度、杉田水脈議員の「『LGBT』支援の度が過ぎる」に批判が殺到しています。子供をつくらないLGBTには「生産性」がないとお考えでしょうか?

■質問2
「生産性」がない国民には、行政が支援する必要はないとお考えですか?

■質問3
杉田議員は同コラムに「LGBTだからといって、実際そんなに差別されているものでしょうか」とも書かれています。LGBTの差別についてのお考えをお教えください。

■質問4
多様性のある社会を実現するために必要なLGBT支援とはどのようなものだとお考えでしょうか?

 以上、4つの質問に対し、自由民主党政務調査会から一括して、以下の通りの回答があった。

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 ご質問の杉田水脈衆院議員の寄稿文につきましては、議員個人としてのものと理解しております。

 党としては、「基本的な考え方」を決定し、パンフレットの作成等を行ったほか、性的指向・性自認に関する広く正しい理解の増進を目的とした議員立法の制定を目指しております。

 今後も当事者の方が社会、職場、学校の場でつらい思いや不利益を被ることのないよう、多様性を受け入れていく社会の実現を図ってまいります。

※党の「基本的考え方」及び「パンフレット」を別添送付いたしますのでご参照くださいますようお願い申し上げます。

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 国内に留まらず国外からも非難が出ているにもかかわらず、自民党としては「個人の見解」という姿勢を変えるつもりはないようだ。27日には自民党本部前で、杉田水脈議員の辞職を求める抗議デモが開催された。自民党は、少なくとも自ら打ち出した「基本的な考え方」にふさわしい対応を取るべきだ。所属する議員の差別的発言に何ら対処もとらない自民党が性的マイノリティにとって望ましい形で、「LGBT理解増進法」を作れるはずもない。

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