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「LGBTは生産性がない」の杉田水脈議員にあらがいたいーー「意味がなかろうと価値がなかろうと、その人がその人の人生を生きる権利を奪うことは許されない」DEATHROインタビュー

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「LGBTは生産性がない」の杉田水脈議員にあらがいたいーー「意味がなかろうと価値がなかろうと、その人がその人の人生を生きる権利を奪うことは許されない」J-ROCKに乗せて政治を歌う神奈川県央No.1ロックボーカリストDEATHRO緊急インタビューの画像4

5月に東京都大田区にあるアトリエ木里にて行われた「Love & Peace 愛と平和のメッセージTシャツ展」のワークショップで時松はるな、鈴木侑馬夫妻のデザインを自ら組み合わせてプリントしたTシャツ。「もっと自分たちの生活に関して議論してみては?」。

RADWIMPS「HINOMARU」は、なぜあのワードを選択したのか

――パンクやハードコアは、その成り立ちから政治的な思想と無縁ではいられない部分がありますが、J-ROCKにそういう側面は?

DEATHRO 意外とあるんですよ。たとえばチェルノブイリ原発事故(1986年)や湾岸戦争(1991年)が起こった当時はいろんなバンドが反応してて。パンク・バンドだとTHE BLUE HEARTSの「チェルノブイリ」(1987年発売の自主制作シングル「ブルーハーツのテーマ」のB面曲)が有名ですけど、九州出身のUP-BEATというビートロック・バンドも『HERMIT COMPLEX』(1988年発売)というアルバムでチェルノブイリのことを歌っていたり。あと俺の大好きな氷室さんも、ベルリンの壁が崩壊する直前に『NEO FASCIO』(1989年発売)という、ずばりファシズムにフォーカスしたアルバムを発表してます。湾岸戦争をテーマにしたアルバムだったらSOFT BALLETの『愛と平和』(1991年発売)がありますね。あるいはBUCK-TICKも、アメリカ同時多発テロ事件(2001年)の翌年にリリースしたアルバム『極東 I LOVE YOU』でアメリカ、イラクの戦争を取り上げています。

――ただ、そうしたプロテストソングは国内には向いていませんよね。

DEATHRO そこなんですよね。特に政権批判みたいな形で左派的なイデオロギーを表明する場合は、マーケティングが大きくなればなるほどそのハードルも上がるでしょうし。あとJ-ROCKの場合、一歩間違えると逆張りっぽくなっちゃうんですよ。特に90年代のJ-ROCKには偽善者を糾弾するような曲がすごく多くて。パンクやハードコアにもそういう側面はあると思うんですけど、もう少し理想を追い求めるというか、スローガンを掲げて自ら体現していくみたいな。

――反戦、反核、フェミニズム、動物愛護などを標榜したCRASS(1977年から1984年まで活動したイギリスのパンク・バンド)のように。

DEATHRO あるいはストレートエッジ(たばこ、ドラッグ、アルコール、快楽目的のセックスの禁止が基本理念)の思想とかも、10代の頃は新鮮に感じましたね。それまでパンクって、俺の中ではシド・ヴィシャスが酒飲んでヘロインを打ってるイメージだったんで、それとは正反対で衝撃でした。あと、岐阜のS.D.Sっていうバンドのボーカルのタカチョーさんが何かのインタビューで「思想というのは最終的に、どこまで自分の中の矛盾を受け入れられるかにかかっている」みたいなことを言ってて。要は、理想とは程遠い現実とどう折り合いをつけるか。その発言には結構、影響を受けているかもしれないですね。

――ミュージシャンが政治的なことを歌うのとは少し違いますが、2016年にフジロック内のイベントにSEALDsの奥田愛基氏が登壇することが決まった際、「音楽に政治を持ち込むな」という声が一部から上がりました。

DEATHRO 同じ時期に「ローリングストーン日本版」のインタビューで、BUCK-TICKの今井寿さんがその論争に対して「なんでもアリなのがロックだから、『持ち込むな』っていうのは単純に気持ち悪い」みたいなことを言ってたんですけど、俺もその立場ですね。むしろ、政治や社会から距離を取ろうとするほうが不自然というか。

――先ごろ炎上したRADWIMPSの「HINOMARU」はそのパターンかもしれないですね。作詞・作曲の野田洋次郎氏の「思想的な意味も、右も左もなく」この歌詞を書いたという言葉を信じるなら。

DEATHRO 大前提として、何を歌ってもいいと思うんです。ただ「日本が好き」って言おうとするとき、なんでピンポイントで特定の時代を連想させるワードを選択してしまったのか、よくわからない。日本って2000年ぐらい歴史があるし、別に今の言葉で愛国心を表明することもできたはずなのに。

――ところで、パンクやハードコアのコミュニティではリベラルな政治思想がある程度は共有されていると思われます。

DEATHRO そうあってほしいなとは思います。

――でも、今のDEATHROさんのお客さんは、必ずしもパンクやハードコアを通ってきた人ばかりではないですよね?

DEATHRO 確かに。バンド時代はお客さんとの間でわりとコンセンサスが取れている状態だったんですけど、今はいろんな方面からお客さんが来てくださるので、そういう意味ではスリリングではあります。だからといって慎重になってるわけでもないんですけどね。音楽でやれることはタカが知れてる……っていったら言葉が悪いですけど、音楽とは別枠で、たとえばデモとかに参加したりしてメッセージを伝えることもできるんで。今回のアルバムにしても、何も特別なことはしてないっていうか、自分の感じたことを言葉にしたら、たまたまそれが社会と呼ばれるものに対して向けられていたというだけで。

――歌いたいことを歌っている?

DEATHRO はい。そのスタンス自体はバンド時代から変わってないと思います。変わったことがあるとすれば、誤解を恐れなくなったことですかね。特にソロになった当初は「こいつはネタとしてJ-ROCKをやってるんじゃないか?」みたいにとらえられるのがすごくイヤだったんですけど、1stアルバムを出すちょっと前ぐらいに「誤解されたらされたで別にいいかな」って。

――それはなぜでしょう?

DEATHRO 作品を聴いてくれたりライブを観てくれたら、それがネタじゃないっていうのはわかってもらえる自信はあるんで。特に今回は、曲も音づくりも1stアルバムよりポップになってるんで、口ずさめるプロテストソングみたいな感じで受け取ってもらえたら。

▼DEATHRO /FLOWERS (Official Audio)

▼DEATHRO /FLOWERS (2018/7/22 shibuya HOME)

【プロフィール】
DEATHRO(ですろ)
1984年12月30日、神奈川県愛甲郡生まれ、かつ現在まで在住。
2015年12月、10年以上にわたるPUNK/HARD COREシーンでの活動のはて、自らのルーツであり、偏愛する20世紀末J-ROCKを現代にアップデートすべく、ソロのロックボーカリストとして活動を開始。
2016年3月、1stシングル「BE MYSELF」を発表。コンセプチュアルなPVと共に話題を呼び、同年6月には活動半年にして、初ワンマンライブを渋谷HOMEにて開催。
2016年12月、1stアルバム『PROLOGUE』発表。年をまたぎ全国6カ所でのレコ発ツアー&2度目となる下北沢THREEワンマンをソールドアウトで成功させる。
2017年8月にはマキシシングル「SLEEPLESS/RHAPSODY」を発表。お笑い芸人・永野、虹の黄昏らが出演したMVが話題となった。翌9月には自身3度目となるワンマンをTSUTAYA O-NESTで開催。
その後も「METEO NIGHT」「TOYOTA ROCK FESTIVAL」「ボロフェスタ」「SYNCHRONICITY」「下北沢サウンドクルージング」などのイベントに出演し、「神奈川県央No.1ロックヴォーカリスト」の称号を胸にステージでそのJ-ROCK魂を燃焼させ続けている。

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DEATHRO 2ndアルバム『NEUREBELL』
2018年7月25日リリース
レーベル:Royal Shadow
RS-14/CD/定価2000円+税

(構成/須藤輝)

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