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高嶋ちさ子のパワハラを“バラエティ”にし続けるテレビにドン引き

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高嶋ちさ子 12人のヴァイオリニスト『MUSE〜12 Precious Harmony〜』

 7月26日の『櫻井・有吉 THE夜会』(TBS系)には、ヴァイオリニストの高嶋ちさ子が出演。高嶋ちさ子が率いるクラシックユニット「12人のヴァイオリニスト」のメンバー3人が、高嶋ちさ子が普段メンバーに課している理不尽なルールについて話した。

 まず、最初のメンバーは「泣いたらクビ」と言われたという。高嶋ちさ子は「私、涙に弱いんです。だから、泣くと許しちゃうんです」と、厳しくメンバーと接するために、涙を流すことを禁止していると釈明する。次のメンバーは「花柄・レース・フリル禁止」と、着る服を規制されていることを明かした。すると高嶋は「柄物ばっかり着てるとうるさくて…」と花柄やレースなどは目に付きやすいため禁止していると説明。最後のメンバーは「コンサートの時、お弁当が出るんですけど、ほぼ100%肉しか出ないです」と弁当も自分の好みでオーダーしているらしい。ただ、野菜を食べたいメンバーもいるようで、高嶋ちさ子に野菜も食べたいと伝えたら「その辺の草食っとけ」と言われたのだという。

 どれも高嶋の個人的事情だが、彼女はユニットリーダーであり独裁者であるようだ。番組中、高嶋ちさ子の発言に出演者が軽いツッコミを入れるなどして、終始楽しそうな雰囲気が保たれていた。だが、ツイッター上では視聴者の「高嶋ちさ子パワハラで訴えられてもおかしくない」「高嶋ちさ子ってやってることパワハラじゃん」という意見も少なくない。私も高嶋ちさ子の発言を“毒舌”として解釈できず、「ただのパワハラじゃん」という感想でいっぱいだった。

 高嶋ちさ子の発言はテレビでよく見られる“ノリ”であり、実際にはユニットのヴァイオリニスト達と高嶋ちさ子が良好な師弟関係を築いている可能性も十分考えられる。私を始め「パワハラだ」と指摘した人達は、「バラエティのノリがわからない陰キャ野郎」なのかもしれない。

 ただ、テレビバラエティにしろ、クラシック音楽界の師弟ルールにしろ、怒号や暴言を肯定的に捉えるのが常識化しているとしたら、それはいいのだろうか。特に高嶋ちさ子の場合は、より良い音楽表現のためではなく、彼女自身が気分良くいるために周囲に犠牲を強いているように見える。自分のイライラを平気で他人にぶつけることを肯定も出来ない。100歩ゆずって単純に一般社会と同列に扱えない業界で、高嶋が絶対的な存在だと周囲も納得しているとしても、ユニットを率いる“上司”が唯一の権力を持ちヴァイオリニスト達を「いつでもクビにできる」と脅すことは紛れもないパワハラだ。それを TBSという“キー局”が、“バラエティ”として放送することに、どうしても違和感を抱いてしまう。

 もちろん、バラエティ番組にはある程度の過激さが必要であることは重々理解している。しかしその過激な演出が、視聴者にどのような影響を与えるかは検討の余地がある。明らかなハラスメント行為をバラエティ化し続けることは本当に「面白い」のだろうか。「こういう事を言うやつがいるからバラエティ番組がつまらなくなる」「嫌なら見なきゃいいだろ」と言われるかもしれない。それでも、テレビがハラスメントを“バラエティ”に変換することは、パワハラを容認するのと同義だ。このような見せ方を続けているうちは、テレビの外でもパワハラ容認の空気が漂い続けてしまうだろう。

宮西瀬名

フリーライターです。ジェンダーや働き方、育児などの記事を主に執筆しています。
“共感”ではなく“納得”につながるような記事の執筆を目指し、精進の毎日です…。

twitter:@miyanishi_sena

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