松本人志が「おかしなこと言ってない」と擁護した杉田水脈議員コラムの“前段”に何が書いてあるか

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 杉田議員の問題は日増しに拡大している。当初は扱わなかった地上波のテレビもニュースとして扱うようになっており、アルジャジーラ・インディペンデント・CNNなど複数の国外メディアも報道した。7月27日には自民党本部前で大規模な抗議デモが行われ、5000人近くの人々が集まった。

 しかし、その一方で、自民党は杉田議員に対して何ら処分を明言することはない。一部の自民党議員からは杉田議員の主張に疑問を呈する声が出たり、公明党の山口那津男代表からも「責任ある言動をすべきだ」といった発言が出たりもしているが、現状では静観して荒波が過ぎ去るのを待つ姿勢を貫き通す構えのようだ。

 wezzyは7月26日18時に「性的指向・性自認に関する特命委員会」の役員を務めている全議員へ、杉田議員のコラムについての質問状を送付した。その結果、自民党政務調査会から一括して<ご質問の杉田水脈衆院議員の寄稿文につきましては、議員個人としてのものと理解しております>との回答が送られてきた(リンク)。

 7月24日の記者会見で二階俊博幹事長は<党は右から左まで各方面の人が集まって成り立っている。人それぞれ、政治的立場はもとより人生観もいろいろある>と発言し、杉田議員からの聞き取り調査などは考えていないと話しているが、上記の返答はそれと方向を同じくしている。

 杉田議員は炎上直後に、Twitterに以下の投稿をしている(どちらのツイートも削除済み)。

<LGBTの理解促進を担当している先輩議員が「雑誌の記事を全部読んだら、きちんと理解しているし、党の立場も配慮して言葉も選んで書いている。言葉足らずで誤解される所はあるかもしれないけど問題ないから」と、仰ってくれました。自民党の懐の深さを感じます>

<自民党に入ってよかったなぁと思うこと。「ネットで叩かれてるけど、大丈夫?」とか「間違ったこと言ってないんだから、胸張ってればいいよ」とか「杉田さんはそのままでいいからね」とか、大臣クラスの方を始め、先輩方が声をかけてくださること>

 これまでの党側の対応を見る限り、このツイート内容は事実である可能性が高いだろう。

 このまま杉田議員の問題を放置し続けるのならば、彼女の発言がLGBTに対する自民党の公式見解とされても文句は言えない。それは、「性的指向・性自認に関する特命委員会」が2016年5月にまとめた「性的指向・自認の多様なあり方を受容する 社会を目指すためのわが党の基本的な考え方」とも齟齬があるものであり、自民党は自らが打ち出した「基本的な考え方」にふさわしい対応を取るべきだろう。

 今回、<「生産性」がないのです>と、LGBTに対する強い差別感情をもとに、優生思想にもつながりかねない考えを撒き散らしたのは、ネットに妄言を書き散らす無名の民ではなく、政権与党に属し議員バッジをつけた権力者である。このまま話が消えるのを待つようであれば、自民党がもつ「人権意識」そのものを疑わざるを得ない。

(倉野尾 実)

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