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田中圭の「ムダにいい身体」が魅力的に映る理由

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「AERA」(朝日新聞出版)2018年8月6日号

「AERA」(朝日新聞出版)2018年8月6日号

 『おっさんずラブ』(テレビ朝日)でいよいよ大ブレイクを果たし、現在は『健康で文化的な最低限度の生活』(フジテレビ)に出演中の田中圭。彼が表紙と巻頭特集を飾った「TV Bros.」(東京ニュース通信社)20188月号も発売前から予約が殺到で品切れ状態。発売前から増刷が決まるという異例の事態になった。また、2016年に出版された写真集『R』(ぴあ)など、過去の田中圭関連の出版物も再び売れ始めているという。

 田中圭をフィーチャーした「TV Bros.」が昨今の出版界でも珍しいほど売れたのは、彼のロングインタビューや『おっさんずラブ』撮影現場オフショットが掲載されていることもさることながら、やはり田中圭の「ムダにいい身体」が載っているというのも大きいだろう。「TV Bros.」では、パジャマを脱いで上半身裸になり、引き締まった身体を見せるグラビアが話題となった。

 『おっさんずラブ』の劇中でも登場し、なにかと話題の「ムダにいい身体」だが、「TV Bros.」では休日の過ごし方として<休みの前日は友だちとごはんに行くことが多いので、朝起きられず昼過ぎまで家でゴロゴロして怒られるか(笑)、家族旅行するか、身体を鍛えるか。旅行や特別な趣味がないので、ほぼその3択ですね>と語っており、やはり筋トレは彼の日常のルーティンとして組み込まれているようだ。

 ただ、「TV Bros.」でのグラビアは彼にとっていささか不本意な出来だったらしい。「AERA」(朝日新聞出版)201886日号では、その撮影について振り返りつつ、<あんなに脱ぐとは思ってなくて、自分的にはすごく恥ずかしい。「もっと前に言ってくれれば、本当に“ムダにいい身体”にしておくのに!」って>と語っている。

 というのも、彼にとってトレーニングは趣味ではなく、いつどんな役が来ても対応できるようにしておくための準備であるからだ。だから、常に身体を仕上げているわけではない。むしろ、鍛え過ぎないように調整しているとも明かしている。

<身体は、筋肉が落ちてきたら筋トレしようとか、つきすぎたら落とそうとかはできるんですが、実際そんなに筋肉、いらないので(笑)>

<できることなら重いものも持ちたくないし、走りたくもない。ただ、そういう役が来たときに、2週間あればどうにかできる身体を常に維持しておこうとは思っています>

 これと似たようなエピソードは、役者の新井浩文も明かしたことがある。降谷建志(Dragon Ash)とPESRIP SLYME)と3人で出演した2015712日放送『ボクらの時代』(フジテレビ)のなかで新井浩文は、映画『百円の恋』でボクサー役を演じたときにトレーニングを重ねて身体を絞り込んだが、撮影後は元の身体に戻したと話した。それは、どんな体型が必要とされる役が来ても2週間ぐらいで調整できるよう、極端な方向に触れない状態を維持するためで、それは髪の毛も同じ。長すぎもしないし、短すぎもしない中途半端な髪の毛の長さにしているのも、同様に調整がきくようにするためだという。

 2週間ほどの準備期間でどんな役にも対応できるよう調整しておくのはストイックな役者は皆やっていることなのかもしれない。ちなみに田中圭は、役者業のためにケアしてきた身体をいまになっていきなり「ムダにいい身体」ともてはやされることに驚きと戸惑いがあるようで、前掲「AERA」では<出そうとして出しているわけではないので、色気があると言ってくれる方に「どこがですか?」と聞きたいくらい。いつなくなるかもわからないから、それに関してはビクビクしています(笑)>なんてことも語ったりしている。

 「ムダにいい身体」が魅力的に映るのは、ただ無目的に鍛えているからではなく、俳優としてのストイックな姿勢の結果として生まれたものだからかもしれない。

(倉野尾 実)

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