市村正親は今年で70歳になる。2014年には、胃がんによって胃の半分を摘出するという大手術を行っている。今も舞台を中心に現役バリバリで活躍する市村だが、年齢的には何があってもおかしくない。自分の妻と小学生の子どもたちの将来を考えれば、篠原に「仕事より子育てをしろ」などと言わないだろう。
その胃がん手術にしても、篠原の助言あってこそだった。体調不良で病院を受診し、魚料理が原因の食あたりで急性胃炎と診断されたが、篠原が「もっとよく調べてほしい」と担当医に申し入れ、病理検査の結果、早期の胃がんと判明したのだ。市村は当時を振り返り、篠原に「命の恩人」だと感謝を述べている。
もちろん夫婦関係が何らかの理由で破綻することはあり得る。しかし、たとえそうなったとしても、周囲がすぐ納得できるような単純明快な理由ではない、複雑な背景があるものではないだろうか。
(ボンゾ)
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