社会

小川彩佳アナの『報道ステーション』卒業が意味するテレビ朝日の変革

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 小川アナの突然の降板の背景には、今年7月にチーフプロデューサーが交替した人事が関係しているのではないかと言われている。実際、スタッフの交替以降、『報道ステーション』は政権批判につながるようなテーマのニュースを扱わなくなり、杉田水脈衆議院議員のLGBT差別発言や赤坂自民亭の話題にも、しっかりとした追及姿勢を見せなかった。

 小川アナは、ニュースサイト「Asahi Shimbun Digital&and&w」(2018228日付)のインタビューで、<原発問題の報道のときは非難もたくさんありました。しかし、古舘さんはぶれずにこだわり続けられた。言葉以外にも、表情で訴えていました。私は古舘さんの姿勢から、強い気持ちがあれば、言外に滲むものが必ずあり、それは視聴者にも伝わるということを気付かされました>と語り、古舘伊知郎(20163月いっぱいで降板)の報道に向かう姿勢に学ぶことがあったとしつつ、自らのキャスターとしてのあり方をこのように語っている。

<カメラの向こうにはいろんな世代の方、主義主張の方がいる。自分の言った一言が誰かを傷つけることもあるというリスクを背負っている。そう思うとこわくなって、無難にその場をやり過ごそう、万人受けすることを言おうと傾きかけたこともありました。でも、画面は正直です。目の動きひとつに、そういう心の姿勢は滲んで出てしまう。なにより、自分にうそをついたことがずっと後悔として残る>

 その言葉の通り、多くのニュース番組やワイドショーが政権への忖度体質に染まるなか、『報道ステーション』や小川アナは報じるべきことをきちんと報じ、メディアとしての矜持を守り続けてきた。

 『報道ステーション』以外でもテレビ朝日のニュース番組は大きな改変が予定されており、『ワイド!スクランブル』も橋本大二郎氏が9月で降板し、小松靖アナに変わると報じられている。小松アナはかなり露骨な政権擁護発言で知られており、これらの人事により、テレビ朝日の報道姿勢はがらりと変わることが予想される。

 テレビ朝日は「権力の監視」というメディアが負うべき役割をこのまま放棄してしまうのだろうか。

(倉野尾 実)

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