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浜崎あゆみ「時代に取り残された感じもする」 20年「変わらない」を保つことの難しさ

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 人気絶頂期だった2000年代前半に、浜崎あゆみは『スーパーテレビ情報最前線(日本テレビ系)』というドキュメンタリー番組の密着取材を二度にわたって受けている(2000年「噂の歌手の正体見た浜崎あゆみ…光と影」。2004年には第二弾「浜崎あゆみ…光と影 25歳の絶望と決断」も制作された)。2000年5月放送の「噂の歌手の正体見た浜崎あゆみ…光と影」では、まさに頂点を極めようとしていた浜崎あゆみの姿を追っていた。

 そこに映るのは、デビューから2年、21歳の浜崎あゆみ。ロゴの字体ひとつにも妥協を許さないストイックなアーティストだが、ショートケーキを頬張る時の表情はあどけない……という、いかにも「歌姫だけど等身大だから若い女性の支持を得ているんです」と中高年視聴者にも納得しやすい、ありがちなストーリーに仕立て上げられていた印象だ。

 番組のプロデューサーらに、なぜ自分が中高生たちからカリスマと呼ばれるのかを聞かれた浜崎あゆみは「全然わからないです」、なぜ歌い始めたのかとの質問には「何だろう……居場所が欲しかったから」「居場所とか、何か……何だろう……自分がここにこう……存在しているんだっていう自分に対しての証拠が欲しかった」。

 歌っている時と歌を作っている時はどう違うのかを聞かれた浜崎あゆみは「歌っている時は、“浜崎あゆみ”というアーティスト。作っている時は、あゆ。商品だからさ、“浜崎あゆみ”は」。確かにこの時と現在とで、浜崎あゆみのそのスタンスに変更はないのだろう。

 20年後、『MUSIC FAIR』での浜崎あゆみは、当時の自分が10年後20年後の自分を想像することも「できなかった」し、「いつも次の日のことも考えられたかなっていう感じ」で、「どうしたら、諦めないでいられるかな」考えていたと振り返っている。

 「家に着いて20分くらいで(次の仕事の)迎え時間」という時もあったほど多忙で、友達や家族と会う時間も取れず、「何が起きてるかがわからない、毎日」「だけど、立ち止まらないように、諦めないようにしなきゃなって感じ」だったそうだ。

 支えになったのは「ファンの存在」で、「ライブでファンのみなさんに会うと、自分が存在している意味があるんだなって思えますね。それ以外はずっと“ひとり”なので、ずっとひとりでカメラに向かってる時間なので、そういう時はやっぱり少し不安になります」。

 彼女は歌うことで居場所を獲得し、今も全国のライブ会場に足を運んでくれるファンの存在に支えられている。その部分でも、20年前と現在で何ら変わりはないのだろう。時間に「追い越された」「取り残された」と感じることもあるにしろ、変わらず同じことをやり続けていくのもひとつの選択だ。

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