ただ、浜崎あゆみがどれだけ客観的に「浜崎あゆみ」というコンテンツを見ているかはわからないが、彼女自身は「変わっていない」つもりでも、肉体は変化し、時代は移ろい、ファンも音楽シーンも動いていき、コンテンツの商品価値も上下する。要するに実際には「変わらない」ものはひとつもないのだ。
だから『MUSIC FAIR』での回答は、なかなか本質的なものだったように思う。歌手デビューした19歳当時の浜崎あゆみと20年が経過した今の浜崎あゆみ、歌声だけでなく価値観や物事の捉え方も20年もあれば変わりゆくものだが、「浜崎あゆみ」という商品自体は変わらない。時代も流れたのに、アップデートされることなく変化がないままでいるがために、彼女は何かと揶揄されることも増えてしまったのかもしれない。