連載

宝塚雪組公演『凱旋門』に、夢をかなえるということの高揚と涙とを学ぶ

【この記事のキーワード】

「人生は、夢だらけ」。そう信じて生きていくしかない。

 そんな望海さまが現在出演されている演目と申しますのが、9月2日まで東京宝塚劇場で上演中の『ミュージカル・プレイ 凱旋門~エリッヒ・マリア・レマルクの小説による~』と『ショー・パッショナブル Gato Bonito!!』。『凱旋門』は実に18年ぶりの再演であり、しかもまさかの18年前と同じ轟悠さまが主演というミラクル! その18年前のお写真を見ると、ほとんどお変わりないのが驚異的です。時が止まったかのようなミラクル!

 wojo、実は18年前にもこの演目見ておりました。そう、あれは社会人1年目。社会の荒波にもまれ始めた秋の頃の観劇。心が疲れていた時期だったからか、とにかく号泣して帰宅したことだけは記憶しております。それ以降も、カラオケでその主題歌「雨の凱旋門」を、デュエット曲であるにもかかわらず主役のおふたりになりきって得意の一人二役で歌う日々……。そして18年たった今年。まさかその『凱旋門』が、しかも轟様で再演とは! 「生きているとこんな夢のようなことに出会えるのか!」と、まさにwojoの夢がかなった瞬間でした。

 18年前の観劇の際には、ヒロインのジョアンがとんでもない女性ではあるもののたまらなく魅力的に思ったこととか、ゲシュタポの一員であるシュナイダーを「世の中にはこんなとんでもないおじさんがいるのか!」と恐ろしく思ったこととか、劇中に出てくる「カルヴァドス」を飲みたいと思い、強いお酒ということを知らないで、後日実際に飲んで大変なことになったこととか……まあいろいろありました。

 今回は、18年前にはあまり感じなかった、ラヴィック(轟さま)とボリス(望海さま)の男同士の友情に、胸がとても熱くなりました。なぜでしょう……。『凱旋門』初演の2000年は9.11のアメリカ同時多発テロ事件が起きる1年前。まだ世界は、こんなにも混沌とはしていなかったように思います。その後世界は大きく揺れ動き、また私も少しは大人になったことにより、人と人との思いやりとか友情とかが、当時よりも大切に感じられるのかもしれません。

 とにかく、『凱旋門』『Gato Bonito!!』を協賛してくださっているかんぽ生命のキャッチコピーではありませんが、「人生は、夢だらけ。」。そう信じて生きていくしかないなと、夏バテ気味でともすれば入院・通院されている患者さんたちよりもよほど元気がないかもしれない私wojoは、そのように思うのでした。

 あ、そういえば現・宙組トップスターの真風涼帆さまは、ぜひ会ってみたい方としてイモトアヤコさんを挙げておられました!(雑誌「歌劇」2018年8月号)。世界中を飛び回ってお忙しいかとは思いますが、ぜひ今度は、イモトさんが真風さまの夢をかなえて差しあげてほしい……! 宝塚ファンとしては、そう思わずにはいられないのでした。

 

【今回の舞台紹介】
『ミュージカル・プレイ 凱旋門~エリッヒ・マリア・レマルクの小説による~』
2000年に宝塚雪組で初演されたミュージカルで、20世紀ドイツの偉大な作家・レマルクの小説『凱旋門』が原作。セリフの美しさ、男女の心の機微の繊細な描写に定評のある柴田侑宏脚本、宝塚OGでもある謝珠栄演出・振付。第二次世界大戦直前の1938年のパリを舞台に描かれる、亡命者で外科医のラヴィック、女優志望のジョアンのはかなくも熱い恋愛が主軸。その他の亡命者仲間たちの生きざまやラヴィックと同じく亡命者のボリスとの友情、さらにはラヴィックの復讐等が1時間35分の上演時間内に凝縮され、人生について、生きることについて考えさせられる作品。

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