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木村拓哉と二宮和也の対称的な役者としての評価 初共演の映画『検察側の罪人』公開間近

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「UOMO」2018年 09 月号(集英社)

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 木村拓哉(45)と二宮和也(35)が共演する映画『検察側の罪人』の公開が、8月24日に迫っている。ジャニーズファンにとっては、“歴史的な共演”だろう。かつて飯島派のSMAPとジュリー派の嵐が共演することは、たとえ個人の仕事であってもNGと言われていた。

 しかしSMAPが解散しチーフマネージャーだった飯島三智氏がジャニーズ事務所を退社した現在はそういった縛りもなくなったのだろう。そろって表紙に登場し対談も掲載された『UOMO』9月号(集英社)では、音楽番組以外で一緒になったことはなかったといい、木村は「事務所としてはそれぞれに戦略とかバランスを考えてくれていると思うんだけど、そういうのを抜きにして、自分らで一緒にやりたいと思ったときにどんどんやれたらいいなって思う」と語っている。

 木村拓哉・二宮和也コンビは映画の宣伝のため、8月17日放送の『ぴったんこカンカンスペシャル』(TBS系)をはじめ、バラエティ番組でも共演する。木村・二宮という組み合わせは視聴者にとっても馴染みがなく、新鮮である。

木村拓哉はどんな役でも華のあるスター

 1990年代から多数の連続ドラマで主演を務め、社会現象を巻き起こしてきた木村拓哉。『ラブジェネレーション』(1997年/フジテレビ系)、『ビューティフルライフ』(2000年/TBS系)、『HERO』(2001年、2014年/フジテレビ系)、『GOOD LUCK!!』(2003年/TBS系)などは平均視聴率30%を超え、「視聴率男」とも呼ばれていた。

 ピアニスト、美容師、検事、パイロット、アイスホッケー選手、F1レーサー、総理大臣、実業家、医師など、木村拓哉がこれまでに演じてきた職業は多岐に渡る。木村拓哉はどんな役柄を演じても「キムタクでしかない」と揶揄されることもあるが、一方で、華があり・様になり・オーラを放って視聴者を惹き付けていた。いわゆるカリスマ性に富んでいたためか、木村拓哉の演じた職業を目指す若者が増えるという珍現象が起きることもあった。

 半面、アイドル・スターとしてではなく、ひとりの役者として木村拓哉が評価されてきたのかというと、いささかはっきりしないような気もする。映画出演は意外と少なく、『武士の一分』(2006年)は興行収入40億円越え、劇場版『HERO』は2007年版が81.5億円とヒットしたが2015年版が46.7億円、『武士の一分』(2006年)は興行収入41.1億円、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(2010年)が41.0億円。また、昨年公開の『無限の住人』は最終興収9.5億円と振るわなかった。それゆえ木村拓哉は「ドラマは必ず大ヒットに導くのに、映画は……」という評価をされてきていないだろうか。

二宮和也は演技派俳優としての評価が高い

 一方の二宮和也は、木村とは対称的に、アイドル・スターとして以上に“演技派俳優”として評価されてきた。ジャニーズjr.時代から元旦特別企画松本清張原作『天城越え』(1998年/TBS系)の少年役に抜擢され、『あきまへんで!』(1998年/TBS系)で連続ドラマ初出演。そして翌1999年4月には『あぶない放課後』(1999年/テレビ朝日系)で渋谷すばるとW主演。これは“ザ・アイドルドラマ”だったが。この時点で二宮はまだジャニーズjr.で、嵐が結成されたのは同年9月である。

 嵐を結成後、『涙をふいて』(2000年/フジテレビ系)、「ハンドク‼」(2001年/TBS系)などで助演として存在感を示してきた二宮和也は、蜷川幸雄監督の映画『青の炎』で家族のため殺人に手を染める主人公の高校生を好演。以後はドラマで主演を務める機会が増え、『Stand Up!!』(2003年/TBS系)、『優しい時間』(2005年/フジテレビ系)、『拝啓、父上様』(2007年/フジテレビ系)、『山田太郎ものがたり』(2007年/TBS系)、『流星の絆』(2008年/TBS系)、『フリーター、家を買う。』(2010年/フジテレビ系)、などで、時にコミカル、時に繊細な演技を見せてきた。

 今年春クールの連続ドラマ『ブラックペアン』(TBS系)こそダークな天才医師の役だったが、どちらかというと平凡で不器用な若者を演じることが多かった二宮和也。だが、不思議と“前と同じ”にはならず、「何を演じても二宮和也」との印象を与えたことはないのではないだろうか。その役に染まり、“普通”を演じることに長けているのだろう。

 また、2006年には、オーディションで選ばれる形でハリウッド映画『硫黄島からの手紙』に出演し、国内外から大絶賛された。この作品はアカデミー賞候補にもノミネートされたが、ジャニーズタレントによるハリウッド作品出演およびアカデミー賞候補ノミネート作品出演は二宮が初めてである。2016年には、映画『母と暮らせば』(2015年)で、第39回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞するなど、役者として非常に高い評価を得ている。

 ともに主演級のジャニーズタレントだが、ある意味、対称的な役者人生を送ってきたように見える木村拓哉と二宮和也。『検察側の罪人』では、お互いの良さを引き出し合って良い相乗効果を生み出していることに期待したい。

中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

バナナ&ストロベリー

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