エン・ジャパン株式会社は4月、8668人を対象に「退職のきっかけ」に関するアンケート調査の結果を発表した。「退職を考え始めたきっかけを教えてください」と聞くと、1位は「給与が低かった」(39%)だった。以降、「やりがい・達成感を感じない」(36%)、「企業の将来性に疑問を感じた」(35%)、「人間関係が悪かった」(27%)と続いた。
この結果を見るに、「教育研修・能力開発の充実」を行ったところで、人材確保にはつながらないのではないだろうか。また、「学歴・経験などの必須資格の緩和」(36%)、「既存の人材プール以外からも採用」(33%)など、採用の間口を広げる企業も多いようだが、給与が低ければ誰も寄り付かない。
何も、左団扇で暮らしたいなどという要求をしているわけではない。労働者は、働いたぶんの金銭的な見返りを求めているだけのことだ。手取り10万そこそこで求人をしたところで、誰も集まらないのは当然のことだろう。地方自治体も含め、企業に求められているのは、正当な報酬の支払いであり、健康に働ける環境づくりではないだろうか。
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