高岡由美子は第2子出産から間もない頃のインタビューで<もしまた出産が経験出来るときが来たら、1人目とも2人目とも違う方法と場所で生んでみたいです。今回の出産で何事も経験しないとわからないと実感したので。ただ可能ならば分娩方法はまた自然分娩を希望しています。なぜなら出産は赤ちゃんと母親との共同作業。共に力を合わせることで頑張れるという自然の力を心と体でちゃんと感じたいからです>とも語っており、出産を“スペシャルな体験”と捉えていることがわかる。母子をわざわざリスクに晒すようなことさえしなければ、出産をどのように捉えるのも自由なのかもしれない。
ただ、助産師を呼ばない自宅出産を素晴らしい体験だと、無事に出産した当事者は語るものの、実際にはリスクも大きい。菅田将暉の父親は、自著『スゴー家の人々』(トランスワールドジャパン株式会社)にて、長男の菅田将暉をはじめ、次男、三男も自宅出産だったと綴っている。助産師の立ちあいもなく、「家族だけで出産したい」「お産は病気じゃない」という母親の意向だったという。次男は逆子だったため難産になったが、母子ともに無事だった。これも、幸運の持ち主だったためであり、万が一の事態が起きてもおかしくはない。しかも、次男と三男の妊娠と出産にあたっては、妊婦健診もしておらず母子手帳もなかったそうなので、仮に緊急を要する事態に発展していたら危なかった。
確かにお産は病気ではないというが、自然に身を任せれば命を落とすこともある。医療を受ければ助かるかもしれない。それだけは当事者が承知しておかなければならない大前提だ。
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