SPEEDの濃厚で短かった「全盛期」と、スキャンダルにまみれてしまった「現在」

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解散と繰り返される再結成

 いつも4人一緒のイメージが強かったSPEEDだが、4人揃って出演した映画『アンドロメディア』(1998年)や夏の全国ツアー「SPEED TOUR 1998 RISE」が終わった1998年秋頃から、メンバー個々によるソロ活動が見受けられるようになった。1998年10月発売の8thシングル『ALL MY TRUE LOVE』のカップリングには島袋(hiro名義)と今井(Eriko with Crunch名義)の楽曲が入り、新垣・上原・今井の3人は1999年春クールの連続ドラマに出演、1999年春~夏にかけては新垣・上原・島袋がそれぞれ単独のソロシングルを発売。一方で、メンバーそれぞれの恋愛に関する噂も飛び交っていた。

 そして1999年10月、突如発表されたSPEEDの解散。記者会見に応じる4人は思いつめたような表情をしていた。

 約3年半の活動にピリオドを打ち、2000年3月31日に解散したSPEEDのメンバーたちは(ちなみに3月31日は有珠山噴火があり、テレビはあまりSPEED解散について時間を割かなかったと記憶がある)、露出は減ったものの、それぞれがマイペースに活動しているように見えた。解散からおよそ1年半後の2001年10月6日には、一夜限りのSPEED再結成がなされ、さらに12月には12thシングルとなる『One More Dream』が期間限定発売された。

 ただ、思ったほどの大きな話題にはならなかったと記憶している。筆者自身、その頃は既に他のアーティストが好きだったため、SPEEDの一時的な再結成に衝撃を受けたり熱に浮かされたりということにはならなかった。たった1年半で、SPEEDはもう過去のグループになってしまっていた。

 2003年、SPEEDは2度目となる期間限定での再結成。この時は5月~12月期間が長く、全国ツアーが行われ、CDもシングル2枚・アルバム1枚リリースされたが、“かつて”ほどの存在感は感じられず、どこか宙ぶらりんな印象が否めなかった。「え、あの解散劇は何だったの?」という気持ちになってしまったファンは多かったのではないだろうか。もう“旬”じゃないんだな、という空気も、うっすら漂っていたように思う。

 2度目の再結成期間を終えたSPEEDは、またそれぞれがソロ活動に戻った。今井は2004年に175RのSHOGOと結婚、同年に長男を出産し、2005年にelly名義で歌手活動を再開。SPEED時代は今井と同じくメインボーカルを務めていた島袋は、hiro名義での音楽活動のほか、2004年にジャズプロジェクト・Coco d’Or(ココドール)の活動、映画・ミュージカルに出演。上原は、ソロ名義でCDをリリースしつつも、ドラマ・映画・舞台・CMなどに出演し、写真集も何度か出している。CM出演は4人の中でダントツに多かったのが上原だ。SPEED時代はダンスがずば抜けていた新垣も、ソロ名義でCDや、イラスト集、ヨガDVDを出している。

 上原以外の3人は、ソロ活動での名義をしばしば変えていて、それもまた“迷走”しているような印象に映った。とはいえ、かつてほど脚光を浴びてはいないものの、SPEED時代に休む暇もないほど働き詰めの数年間を送った4人が、これからは自分のペースで自分好みの活動を地道にしていきたい、あるいは模索していきたいと望んだ可能性もあり、これを「売れたいのに以前ほど売れない状態」だったと見ることはできない。彼女たちが希望した活動形態で、自分のペースでやりたい仕事をやっているのなら、何ら問題はなかっただろう。

 しかし2008年8月、なぜかSPEEDは3度目の再結成、それも期間限定ではない完全復活をした。同年11月に発売された15thシングル『あしたの空』はオリコンチャート3位でそれなりの売上を見せたものの、そもそもSPEED人気が絶頂だった90年代後半と、00年代後半では音楽業界の状況は変わり、CD不況に突入していた。90年代後半にSPEEDを見て育った世代も20代に突入している。再ブレイクは難しかった。

 完全復活後のSPEEDは2008~2011年にかけて、『あしたの空』を含め6枚のシングルをリリースしているが、順位はみるみる下がっている。2009年発売のベストアルバム『SPEEDLAND -The Premium Best Re Tracks-』こそオリコン2位だったが、2012年発売の5thアルバム『4 COLORS』はオリコン16位。そして2013年発売のミュージッククリップ集『SONIC GROOVE CLIPS』を最後に、SPEEDは実質活動休止状態にある。

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