イオン、ユニクロなど業界最大手が次々と導入するAIで私たちの生活は何から変わっていくのか?

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Thinkstock/Photo by PhonlamaiPhoto

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日常生活にも浸透してきたAI

 囲碁、将棋、チェスでは人間に勝利したAI(人工知能)。2045年には人間の脳の能力を超えるシンギュラリティ(技術的特異点)が起こるともいわれている。そうしたなかで、AIをビジネスに活用する動きも盛んになってきている。

 小売業の世界でも、販売時点のPOSデータから得られるビッグデータをAIで分析して、販促や品揃えに生かすといった試みがなされているが、身近な店舗においてもAIによる接客が導入され始めた。店頭でロボットが「いらっしゃいませ」と出迎える光景も珍しくなくなった。

 ソフトバンクのAI搭載人型ロボット「Pepper(ペッパー)」を使ってさまざまなテストマーケティングが行われている。売場でクーポンを配布して商品説明するのはヤマダ電機。炊飯器売場で約950人がペッパーの前で立ち止まり、300人が実際にペッパーのアプリを操作した。ペッパーの接客後は56%の顧客が購入を前向きに検討するなど、販売促進の効果が実証された。

 サーティンワンアイスクリームではLINE公式アカウントのお友達登録を受け付け、ペッパーが設置された店舗では33日間で1670件のお友達登録があり、その後の再来店にもつながり、リピーター獲得に貢献した。

業界最大手のAI始動で何が変わるか?

 イオンの「モール幕張新都心」では、イオンカードの入会手続きの業務を行っている。AI搭載のデジタルサイネージ(電子看板)の前に立った来店客、年齢・性別などを識別し、おすすめのカードを画面に表示、ペッパーに手続きの進め方を案内された入会希望者は、お客は手元のタブレット端末で一画面ずつ、ガイダンスに沿って手続きを進めていく。同時に最大3名まで対応できる。

 イオンは、AI搭載の対話型案内システムも、「イオンモール松本」、「アウトレット広島」、「イオンモール熊本」など9店舗で展開している。来店客が電子看板画面のAIキャラクターに問いかけると、お客の質問を自動的に認識し、案内する。日本語、英語、中国語に対応している。

 日本ユニシス、08ワークス、パルコの3社が共同開発した、自走式案内ロボット「Siriusbot(シリウスボット)」は、来店客の問い合わせに日本語と英語のバイリンガルで音声と画面を使って応答、目的のショップまで案内することもできる。

 閉店後は売場を巡回し商品の電子タグを読み取ることにより、テナントの店内商品の在庫数を自動的に集計し、棚卸業務をサポートする役割も担っている。本格稼働に向けて、昨年10月、「池袋パルコ」、11月には東京・上野に開業した「PARCO-ya(パルコヤ)」、今年5月には「名古屋パルコ」でも期間限定で実証実験が行われた。

 また、「大丸神戸店」では今年6月、対話型 AI 接客ロボット「モト・マチコ」が、ギフトを贈りたいに、その相手の性別、イメージカラーなどを質問し、得られた回答を分析することで、その相手にぴったりのギフトアイテムを導き提案するイベントを開催した。

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