AIの実用化のカギを握るスマホ
いまや毎日の生活に欠かせないデバイスとなったスマホを使った取り組みもでてきた。ユニクロは、昨年9月から、スマホの「ユニクロアプリ」にAIを活用したチャットボット(チャット自動応答システム)を追加。おすすめのコーディネートやトレンドワードを知らせるAIコンシェルジュ「UNIQLO IQ(ユニクロアイキュー)」がそれで、3000人を対象に試験運用を開始した。最終的に15万人まで広げて、収集した試験データをもとにAIの回答能力を向上させ精度を高めた。
今年7月11日からは、正式に公開し、着こなし提案、雑誌掲載商品の検索などといった新たな機能も加え、LINEをはじめ各種SNSやグーグルアシスタントといった音声アシスタント機能とも連動して使えるようにし、今後は得られた情報を商品開発にも活用していく考えだ。
「AIソムリエ」といったちょっと風変わりなサービスも広がりを見せている。酸味、甘味、苦み、渋み、余韻など味覚の好みを入力すると、AIが解析し、最適なワインや日本酒を選んでくれる。タブレット端末やペッパーでの提供以外にスマホでも利用できる。
スマホでは、アプリ内のカメラ機能でワインのラベルをスキャンすると、アプリがワインを認識し、「お薦めスコア」が表示される。多くの評価レビューを登録するほどAIがより深く好みを覚えていき精度が高まる。AIが知識豊富なソムリエよりも最適なジャッジメントを下す時代がやってくるかもしれない。
こうしてAI接客はさまざまなシーンで見られつつあるが、実験段階やイベントでの導入などが目立ち、本格的な普及はこれからとなる。