看護師16人の妊娠報告を病院側は祝福 日本では祝福できるだろうか?

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5人に1人が妊娠は迷惑と感じている?

 「妊娠抑制」の圧力は職場以外にも存在する。週プレNEWSが過去に掲載した記事を紹介したい。中学3年生を担任する結婚間もない女性教師に、保護者が「今年、子どもたちは受験を控えており、よけいな刺激を与えたくない。だから、今年の出産はやめてほしい。出産計画誓約書を書いてください」と要求。教師は契約書に署名したものの、数週間後に妊娠が発覚した。これに腹を立てた保護者は「生徒全員に謝罪文を書け」と強要し、クラス全員に謝罪文を掲載した“学校だより”を配布したという。

 このような非常識な保護者が多くいるとは思えないが、妊娠を迷惑視する空気は明らかに存在する。女性向け情報サイト「マイナビウーマン」が2016年に発表した「妊娠報告」に関するアンケート結果によると、「妊娠を報告した際の職場の雰囲気として近いものをものはどちらですか?」と聞き、「祝福モード」(78.75%)、「迷惑モード」(21.2%)と回答。5人に1人が同僚の妊娠にネガティブな雰囲気が漂う職場だと答えていることになる。

 東京医科大学の入試で女性受験者を一律減点していた問題で、「出産を機に女性は離職するため」との理由が挙げられ、これをもって「仕方ない」と容認する空気も確かにあった。なぜ妊娠や出産が迷惑だと認識されるのかといえば、それは現場が「社員・職員の一時離脱などあり得ない」前提で回っており、誰もが疲弊しているからだろう。そのような余剰のないギリギリの状態で成り立っている組織が多いのである。

 このような社会では、日本の結婚率や出産率は上がるわけがない。根本的に改善すべきは、この組織構造そのものであり、サービスを受ける側の意識だ。構造自体を維持したままで行政が婚活や妊活を後押ししたところで、少子化傾向に歯止めはかかりようもない。

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