政治・社会

女子大を「時代錯誤の男性差別」だと訴えるウルトラCは、女子大の必要性を逆説的に証明している

【この記事のキーワード】
女子大を「時代錯誤の男性差別」だと訴えるウルトラCは、女子大の必要性を逆説的に証明しているの画像1

「新潮45」(新潮社)2018年9月号

 「新潮45」(新潮社)2018年8月号に自由民主党の杉田水脈衆議院議員が「「LGBT」支援の度が過ぎる」と題されたコラムを寄稿し、「子供を作らないLGBTカップルは『生産性』がないので税金を使って支援する必要はない」といった論旨の主張をしてから約1カ月。

 「新潮45」の記事は大炎上し、地上波テレビのニュース番組を含む、各メディアが取り上げる事態となったのだが、しかし、「新潮45」編集部には、その批判の声を真摯に受け止め、LGBTに関して丁寧な記事づくりをしようという思いは微塵もなかったようだ。

 8月18日に発売された「新潮45」2018年9月号に、著述家の樫原米紀氏による「「おかま」はよくて「男」はダメ お茶の水女子大の「差別」」なるコラムが掲載され、一部から批判の声が上がっている。

 本題に入る前にお茶の水女子大学が打ち出した施策について振り返っておく。お茶の水女子大は2020年度から戸籍上の性別を問わず、性自認が女性のトランスジェンダーの学生の入学を可能にすると打ち出した。

 戸籍上の性ではなく「性自認」のみを問うというお茶の水女子大の決定は、多様な「女性」に門戸を開いた画期的なものだが、アメリカにおいてはすでにミルズ大学、マウント・ホリヨーク大学などの女子大学でトランスジェンダーの学生を受け入れており、海外にはいくつか先行事例がある。

 お茶の水女子大がこのような施策に踏み切ったのは、多様な価値観を尊重し合う社会となるこれからの時代において、多様な性を受け入れる学校にしていくことは、生徒の成長を支援する環境づくりにつながると考えているからだ。

 7月10日に行われた記者会見のなかで室伏きみ子学長も<本学はすべての女性たちがその年齢や国籍等に関係なく、個々人の尊厳と権利を保障されて、自身の学びを進化させ、自由に自己の資質能力を開発させることを目指している。その意味からも、性自認が女性であって、真摯に女子大学で学ぶことを希望する人を受け入れるのは自然な流れだろうと思うし、多様性を包摂する社会としても当然のことと考えた>と説明している。

 そんなお茶の水女子大の決定を知った樫原氏は、「新潮45」のなかで<いままで女子大には女子が入るのが当たり前と思っていたのに、突然こんなことをいわれてギョッとした。知らぬ間に時代が変わり、世の中は男と女というだけでは処理できない仕組みになっていたようだ>と綴る。

1 2 3

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。