マスカルチャー終焉時代に映画『SUNNY』が公開される意味とは? “皆が知っている曲”が生み出されていた1990年代

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 現在パートで篠原涼子たちが演じているように、かつての大親友でも大人になれば就職や結婚、出産経験(の有無)や、それぞれライフスタイルの変化によって疎遠になりがちだ。月日を重ねて溝はさらに深まっていくが、ふと再会したときに溝を埋めてくれるのは、いっしょに過ごした思い出と時代のカルチャーかもしれない。初対面でも、昔流行していた音楽をいっしょに口ずさめば距離はグッと縮まるものだろう。実際に90年代を高校生として過ごしていた篠原涼子たち5人は、和気あいあいと撮影を楽しんでいたようだ。

 主演の篠原涼子は、825日発売の「spa!」(扶桑社)で<アラフォーチームは皆さん本当に話したがり屋だったし、話が合うのでずっと話してました。(略)この作品でも最後に「何であんなに笑っていたんだろう」ってセリフが出てくるんですが、本当にそういう感じですね。>と述懐している。また、板谷由夏は827日の「トレンドニュース」インタビューで<今回のメンバーは、これまでがっつりと仕事をご一緒したことはありませんが、最初の顔合わせからすぐに仲良くなれました。放っておくと大人チームはずっとおしゃべりしていましたよ>とコメントしていた。

 90年代はテレビや雑誌などのマスメディアが全盛期を迎えており、そこから発信された流行が一世を風靡していた時代。みんなが同じテレビ番組を観て、同じヒット曲を聴いていた。他方で、SNSが普及した現在はインターネットを媒介して多様なカルチャーが生み出され、趣味や嗜好も多様化している。みんなが同じものをいっせいに享受する現象、たとえば「誰もが知っているあのヒット曲」のような存在は、もう現れにくいだろう。

 映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』は、時代のカルチャーがつなぐ最後の絆を描いているのかもしれない。

(ボンゾ)

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