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ドラマ『高嶺の花』格差恋愛には「生理的に無理」、ドロドロお家騒動で視聴率回復!

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『高嶺の花』公式Instagramより

『高嶺の花』公式Instagramより

 野島伸司脚本のもと「美女と野獣の超・格差恋愛」という触れ込みで始まった連続ドラマ『高嶺の花』(日本テレビ系)。蓋を開けてみれば文字通りの野島伸司ワールド全開で展開中である。8月29日に第8話を放送予定だが、「美女と野獣の超・格差恋愛」というよりは華道のお家騒動が主軸となっており、冷徹な家元をはじめ腹に何か抱えた登場人物ばかりが織り成すドロドロ劇なのだ。

 華道の名門「月島流」の令嬢として生まれ、美貌にも財力にも華道の才能にも恵まれた29歳女性・月島もも(石原さとみ)は、結婚式当日に婚約者・吉池(三浦貴大)の二股、さらに相手女性の妊娠が判明して破談となって心を病み、味覚や嗅覚を失い、吉池にストーカー行為まで働く。そんなある日に出会ったのが、つましい母子家庭で育ち、長らく母親の介護をしながら下町の商店街で小さな自転車店を営み、恋愛とは無縁で生きてきた39歳男性・風間直人(峯田和伸)。お嬢様育ちだが破天荒かつ竹を割ったような性格で勝気に見えて実は繊細……なももに対して、直人は純朴で聖者のような青年で、90年代にヒットした数々の野島作品を彷彿させる2人だ。

 ももと直人はあっという間に惹かれ合い、恋人になり、結婚を考えるが、その背後では月島流の後継者問題を発端とするきな臭い話がしっちゃかめっちゃか進行。こちらのほうがよっぽどメインであり、純粋な恋愛ドラマを期待していた視聴者にはびっくりな展開だろう。

 そもそも、ももと吉池の結婚が破談になったのは、ももの父で月島流家元・市松(小日向文世)の差し金によるハニートラップ。市松は当初、ももが結婚して月島家を出ることで月島流が衰退することを危惧したと説明していたが、やがて命と引き換えにももを産んだ実母が「ももを家元にする」ことが願いだったと明かす。

 話を聞いたももは家元になることを決心。が、実は、ももは市松ではなく、亡き母と運転手・高井(升毅)との間に生まれた子。市松は自分と後妻・ルリ子(戸田菜穂)の間に生まれたなな(芳根京子)が、自分と血のつながらないももに負けるべきではないと思い、おとなしい性格のななを奮闘させるべく、ももを利用したのである。何ともややこしい話だが、トンデモな毒親なのは間違いない。そして野島作品には自らの欲望のために血の繋がらない子どもを散々な目に遭わせる冷酷非道な狂気の登場人物がわりと出てくる。

 一方で、市松の後妻でももを憎んでいるルリ子も、実子のななに月島流を継がせるために画策。月島流乗っ取りを狙うイケメン華道家の宇都宮龍一(千葉雄大)と手を組むのだが、龍一に接近されたななはあっさりベタ惚れするものの、龍一はルリ子とも肉体関係を持っているのだからエゲツナイ。しかもそれを材料にルリ子を脅迫し、さらに裏では市松とも通じている龍一、どこまでも強キャラだ。京都の名門家元の父親・婚姻関係にはない母親の間に生まれ、冷遇されていきたという過去の持ち主で、夢にうなされるなんてシーンもあったが、「最終的に改心する」キャラクターなのだろうか。過去の野島作品に倣えば、非業の死を遂げそうなのだが。

 では盛大に宣伝されていた、ももと直人の格差恋愛はどうなったかというと、亡き母の願いを叶えるべく家元になる決意を固めたももだが、良い作品が作れず、恋愛をして平凡な暮らしを望み“もうひとりの自分を見る力”を失ったせいだと考える。そんな自分に必要なのは“罪悪感”だと考え、かつて自分がされたように結婚式当日に直人を裏切ることを試みた。

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中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

バナナ&ストロベリー

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