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児童扶養手当の申請、受給資格があるなら躊躇わないで

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Thinkstock/Photo by LittleBee80

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 児童扶養手当の支給を受けているひとり親にとって、毎年8月に役所窓口で実施される「現況届」の提出および職員との面談が大きな負担になっているケースがあるという。多くの役所では現況届の提出は郵送不可、提出期間は8月上旬~中旬・平日午前~夕方と設定しているため、仕事を抜けたり休んだりして都合をつけて役所に足を運ばなければならず、それももちろん負担だろう。さらに現況届の項目や職員からの質問には、異性関係を問うものもあるといい、精神的に削られるという。

 ひとり親家庭等を対象に支給される児童扶養手当は、「ひとり親家庭の生活の安定と自立の促進に寄与し、児童の福祉の増進を図ることを目的として」1962年に始まった。支給額は養育者(受給資格者)の所得額、扶養する子どもの人数に応じて変動し、収入が上がれば支給額が下がる。もし離婚した夫・妻から養育費の支払いがある場合は所得額に養育費の8割相当額が加算される。また所得制限により、支給対象とならないひとり親家庭もある。ちなみに支給対象に父子家庭が含まれるようになったのは2010年8月以降と、比較的最近の話だ。

 具体的な支給額は物価変動などに応じて毎年改定されているが、今年度の場合、子ども1人の場合は月額42,500~10,030円、2人目は月額10,040~5020円加算、3人目以降は1人につき6,020~3,010円加算。親の所得額や子どもの人数で支給される金額には幅があるが、児童扶養手当が支給されて辛うじて生活が成り立っているというひとり親家庭は少なくないだろう。

 つまり、これを打ち切られてしまえば生活が崩壊するという家庭もある。しかし冒頭に記したように、申請が負担になっているケースもあるという。

 “父母の離婚などで、父または母と生計を同じくしていない子どもが育成される家庭(ひとり親家庭)の生活の安定と自立の促進に寄与し、子どもの福祉増進を図ることを目的として支給する”児童扶養手当は、配偶者のいないひとり親に支給され、再婚などでひとり親ではなくなった場合は支給停止となる。また、事実婚や内縁関係もパートナーと見なされることがあるが、何をもって事実婚・内縁関係とされるのかはっきりした規定はない。

 同居しているわけでも生計を同じくしているわけでもない、金銭援助を受けているわけでもない、恋愛関係にある異性が子どもと暮らす自宅に来訪するだけでも、打ち切りを判断されてしまう可能性を孕んでいる。「恋愛するんだったらお金もらってください」「交際相手に養ってもらって何とかしてください」ということなのだろうか。しかしたとえ恋愛関係にあっても、結婚していない限りは生計が別のカップルがほとんどだろう。

 それがたとえ恋愛関係でない(もちろん金銭的援助関係でもない)友人や同居人であっても、「未婚の異性」は禁忌だ。ライターのヒラマツマユコさんは以前、「実姉とそのパートナー男性とお子さん」の3人家族と、「ヒラマツさんとお子さん」とで一軒家を借り、ルームシェアをしていたが、児童扶養手当の申請に役所へ行くと、「同じ住所に未婚の異性が同居されているので、手当の受給資格がない」として断られたことがあり、一連の経緯を記事にして伝えている。児童扶養手当を受給できない要件の1つに、同じ住所に異性の氏名がある場合には「事実婚」とみなされ、申請または継続することができないというものがあるのだ。

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中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

バナナ&ストロベリー

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