社会

児童扶養手当の申請、受給資格があるなら躊躇わないで

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 お姉さんとパートナー男性は入籍しないスタイルのカップルだった。実姉のパートナー男性はヒラマツさんにとって“同居する未婚の異性”であるが、彼がヒラマツさんとその子どもを扶養しているわけでは当然ない。ヒラマツさんの所得は児童扶養手当を必要とするもので、受給資格はあったはずだが、同居を解消しない限り認められないとされた。過去、埼玉県でシェアハウスに暮らす親子が、児童扶養手当を打ち切られたケースもあった。

 このほかにも、ひとり親が児童扶養手当申請や現況届提出を行った際に、離婚した配偶者と子どもが頻繁に面会交流を行っているとして偽装離婚を疑われたり、ルームシェアしている相手を住所が同じというだけで事実婚扱いされたり、妊娠の可能性について聞かれたりといった話も、報道されている。

 すべては、不正を防ぐためなのだということはわかる。交際相手から十分な生活費を援助されていながら所得として申告せずに児童扶養手当を受給し、遊興費に使うケース……そうした「悪いひとり親」の想定もあるかもしれない。しかし、生計を同じくする夫婦だけが同じ住所に住むわけではなく、家事育児を分担しながら他人同士が共同生活を送ることは特にひとり親世帯にとっては様々な面で有効なはず。節約にもなる。現状の役所対応は、それを許さない、ということになる。

 ただ、こうした話が多く世に出回ることで、かえって「申請に行くのが怖い」「嫌な思いをするくらいなら要らない」と躊躇ってしまうひとり親もいるかもしれない。それは本末転倒だ。最後に、筆者自身の話を書いておきたい。

 筆者自身も児童扶養手当の支給対象であるひとり親で、先日、現況届提出のために役所に出向いた。現況届には、月々の収入や預金額や家賃、同居している人、養育費の有無などを書く欄があるが、窓口では交際相手の有無については聞かれなかった。というか今まで一度も聞かれたことがない。

 ネットには「聞かれる」という情報があったので、2年ほど前の現況届提出時に「そういえば付き合っている人がいたら報告しなくちゃいけないんですか?」と職員に質問したところ「住まいや生計を一緒にしている状況だと支給対象から外れる可能性もあるのですが、そういう状況じゃないのであれば特には……」とのことだった。妊娠の可能性について聞かれたこともない。窓口対応にも地域や職員によって開きがある。

 児童扶養手当の制度そのものにも、職員の対応にも、まだまだ問題点、改善できる点はあるだろう。しかしだからといって、児童扶養手当の申請を躊躇う必要はない。そもそも児童扶養手当は、“子どもの福祉増進を図る”ための制度なのだ。

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