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『半分、青い。』北川悦吏子の矛盾 「Twitterの意見、参考にしている」は本当?

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北川悦吏子Twitterより

北川悦吏子Twitterより

 NHK連続テレビ小説『半分、青い。』もいよいよ佳境。『半分、青い。』のヒロイン・鈴愛は、無神経な言動(セリフ)や周囲の忠告を無視した行動をとることから、あまり視聴者の共感を呼ぶヒロインにはなっておらず、このドラマは朝ドラには珍しくファンとアンチがまっぷたつに分かれている。特にネットでは脚本を手掛ける北川悦吏子氏(56)のTwitterに様々な意見が寄せられているが、彼女のTwitterでの発言もまた、この半年、繰り返し炎上している。

 北川悦吏子氏は、脚本執筆にあたってヒロインと同じ1971年生まれのユーザーから情報を募り、放送が始まってからは「神回」予告をしたり、撮影裏話を明かしたり、ドラマの感想が書かれたツイートにリプライをしたり、視聴率に言及したり、かと思えば出演者の佐藤健(29)の他作品をライバル視するツイートをしたりと、Twitter上で「暴走」状態。北川氏自身が<暴走機関車>と称している。

 8月28日には、『半分、青い。』や自分へのネガティブな投稿は見たくないとして、今後リプライを見ない旨をツイートし、フォロワーにはハッシュタグ「#北川プラス」を付けての応援を呼び掛けた。北川氏へのリプライは、よくある誹謗中傷や罵詈雑言の類ではなく、好意的ではないものでもドラマの内容に言及したものや、北川氏の姿勢を疑問視するものなど、冷静な言葉が多いのだが……それらも北川氏にとっては“アンチの戯言”でしかなく、「妙なもの」で、読むに値しない意見ということなのだろうか。

 朝日新聞デジタルのロングインタビューで、北川氏はもともと腎臓に持病があり、さらに1999年より難病・炎症性腸疾患を患っており、放送期間の長い朝ドラ脚本の執筆は失聴ではなく体力的な問題があったと苦労を明かしている。2017年元旦から始めた執筆は予想以上にハードで、2度救急車で搬送され、病室で執筆した時期もあったそうだ。そうした病状を語る一方で、Twitter騒動について次のように言及している(北川悦吏子さん、2度病院へ「半分、青い。」)。

<黙って見ていればいいのに、参戦し、タグ荒れを起こし、『やってまった』と反省することも多いです(笑)。NHKさんからは何度か『北川さん、やめてください』って叱られました。脚本家自らが『明日は神回です』なんて予告するのを『自分から言うなんて不遜』ということだと思うんですが、自分にとっては神回なんです。『スタッフ、キャストも頑張りました!』ということです。ただ『見てね』と言うんじゃつまらない、翌日のネットニュースにもならないから。>

<私にとってツイッターは創作に必要な手段なんです。ドラマを考えるうえで参考になる意見や感想をいただけるのはありがたいです。やりとりの過程で得られるものも多い。こちらが気づかなかったことを感想で教えてくれる方も多いし、深く見てくださっている。『朝が楽しみ』『沈んでいたときに、鈴愛に勇気づけられた』といった感想に励まされています>

<ドラマ作りってライブだと思うんです。見る人が作り手から完成品を受け取るのが基本だけど、その後のやりとりで、もっとこうすればよかったと思ったら、私は正直にツイートしてしまいます。『半分、青い。』を作る過程の、私の精神、頭の中を見せる。そこには、苦しいけど、創作という自由があります。私は『私、作る人。私、見る人』の垣根を取り払いたいんです。作る楽しさを共有したい。朝ドラを見て、ツイッターを読んで、なんだか面白そうだなとドラマ作りに憧れ、自分もやってみたいと思う人が一人でも多く現れてほしい。>

 確かに、Twitterでただ「見てね」とツイートするだけではネットニュースで話題にはなりづらいだろう。北川氏の一連のツイートによって『半分、青い。』に注目した人もいたと思われる。

 しかしながら、北川氏にとって<ツイッターは創作に必要な手段>で、<ドラマを考えるうえで参考になる意見や感想をいただけるのはありがたい><やりとりの過程で得られるものも多い><こちらが気づかなかったことを感想で教えてくれる方も多い>というのであれば、なぜリプライを読まないと宣言し、わざわざ「#北川プラス」とハッシュタグを作り<素敵なリプライ>のみを集めるのだろう。そこには矛盾がある。

 「#北川プラス」という提案は、肯定的なコメントしか受け付けないことになり、そのやりとりの過程で満足感や喜びを得ることはできるだろうが、作品をより良いものにするために<参考になる意見や感想>は集まりづらい。もちろん「自分好みのストーリー展開でない」といった個人的な視聴者の注文などにいちいち答える必要はないし、他者から寄せられる意見を取捨選択するのはおかしなことではないが、批判めいた感想と“アンチ”や“悪口”を分けて考えるくらいの冷静さはあってもいいのではないだろうか。

中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

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