『SUNNY 強い気持ち・強い愛』が大コケしたあまりにもわかりやすい理由

【この記事のキーワード】

 そのパワーは2018年の現在にもつながっているものだろう。「SPA!」(扶桑社)2018年9月4日号で篠原涼子はこのように語っている。

<生き方としてそれぞれの主張が表れていて素敵でしたよね。タレントでも業界でもない人たちが、一つの文化の形をつくり出したのはすごくかっこいい。あの当時、コギャルだった人たちが今30代になって、専業主婦だけにとどまらず、社会性のある仕事に就いていたりとか、男性がする仕事もやるようになってきていたりするのは、90年代のコギャル世代からなのかなって>

 20年後の「SUNNY」のメンバーは様々な人生を歩んでいるが、芹香は複数の会社を経営して社会的に成功した自立した女性として描かれており、これまで述べてきたような映画の主題を最も反映したキャラクターといえる(この設定は原作の『サニー 永遠の仲間たち』でも同じ)。

 日本社会における女性像はコギャルをきっかけに大きく変わったという認識に沿って、『サニー 永遠の仲間たち』をリメイクするなら時代設定を1990年代中盤に変えるべきだという発想は『サニー 永遠の仲間たち』が日本公開された時点ですでにあったらしい。「Men’s JOCKER」(KKベストセラーズ)2018年9月号に掲載されたインタビューで大根監督は<韓国版が日本で公開された年に、川村元気プロデューサーと『ヒロインの若い時代をコギャルという設定にしてリメイクしたい』という話はしていて>と語っている。

『SUNNY 強い気持ち・強い愛』が抱える問題

 『SUNNY 強い気持ち・強い愛』では1990年代J-POPのヒット曲が多数流れ、そのなかでも当時のガールズアンセムだった安室奈美恵「SWEET 19 BLUES」は重要な楽曲として劇中で何度も使われる。また、物語の冒頭では、奈美が安室奈美恵のデビュー25周年沖縄凱旋ライブを伝えるワイドショーの映像を微笑みながら見るシーンもあり、様々な意味合いで「平成最後の夏」に相応しい映画に思える。

 しかし、その成績が予想されていたものよりも芳しくないのだとしたら、いったいなにが原因なのか? それは、広瀬すずによる以下の発言に象徴されているのではないだろうか。

<今はつまらなそうなことに対しては『やめておこう』ってなる人が多いと思うのですが、コギャルの人たちは『じゃあ、自分たちで楽しくすればいいじゃん!』っていう発想なんですよね。ルーズソックスにしても自分たちで工夫をして作り出したファッションなので、すべてにおいてものすごくパワーがあったんだなと思います>

<コギャルたちには自分たちが世界一だっていう無敵感があると思いました>(映画公式パンフレットより)

1 2 3

「『SUNNY 強い気持ち・強い愛』が大コケしたあまりにもわかりやすい理由」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。