社会

学力テストの結果を教師の報酬に反映させる? 児童の成績不振は教師の指導力不足が責任か

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学校のケツを叩く前にやるべきこと

 そもそも大阪市の教師の指導力は、他の都市と比較して劣っているのだろうか? 学力テストの結果が振るわないことを、教師だけの責任にするのは早計である。

 文部科学省によると、貧困世帯に教材費などを支給する“就学援助”の割合は、全国平均15.23%だった。ただ、大阪府は23.67%と全国で2番目に高い数字となった。(1位は高知県の25.5%)また、厚生労働省が昨年に発表した「生活保護制度の現状について」によれば、大阪市の生活保護率は政令指定都市の中で最多の5.34%(全国平均は1.69%)。大阪市長が「児童の学力向上のため」に取り組むべきは、こうした問題のほうではないだろうか。

 というのも、貧困であることは学力に影響を及ぼすことがわかっている。お茶の水女子大学の調査によると、世帯収入が200万円以下の中学3年生のテスト結果は、国語A(約70点)、数学A(約50点)だったが、世帯収入800~900万円の子どもは、国語A(約80点)、数学A(約70点)。世帯収入が上がればテストの点数も上がることがわかった。

 しかし吉村市長はこうした指摘には次のようにTwitterで反論している。

<教員評価じゃない!子供の貧困対策だ!吉村は子供の貧困対策をやれと叫んでるお偉い教育評論家へ。市長になってすぐに、それまでなかった子供貧困対策会議を立ち上げ、取り組んできた。今もだ。28年度市内本格調査、29年度19事業、30年度36事業。会議の議事録全部読んでから言えよ。過去との比較もな。>

<親の経済力や教育が、子供の学力と相関関係にあることはそうだと思う。しかし、『全て』ではない。学校で教育してるんだ>

<地道な学力向上事業、子供の貧困対策、放課後学習事業は、今後もやる>

 また、教育現場で不正が横行する懸念についても<真面目で教育熱心な教員が、評価のために簡単に不正するとは思わない>と否定。ただでさえ教員の過重労働は深刻な労働問題であり、吉村市長の提案は働き方改革に逆行する流れだというもっともな意見もあるが、果たして大阪市はこの方針を具体化させてしまうのだろうか。

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