元犯罪者専用の求人、業種の偏りが著しい現状 性犯罪・重犯罪はNGも

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業種には偏り

 しかし『Chance!!vol.3』に掲載されている15社のうち、業種は「建設業」(10社)、「飲食業」(2社)、「製造業」(1社)、「自動車整備業」(1社)、「不動産業」(1社)と偏りが見られることは否めない。事実、先程の調査によると、受刑者の立ち直りを支える協力雇用主の業種の割合は「建設業」(48%)が最多。次いで、「サービス業」(15%)、「製造業」(13%)、「卸小売業者」(6%)という状況だ。

 人には向き不向きが存在し、受刑者の多くが、「建設業」に特化した人材なのかと言えばそうではないだろう。「犯罪者が職を選べる立場か」「仕事があるだけありがたいと思え」という意見も聞こえてきそうだが、仕事に馴染めず離職してしまっては元も子もない。

 また、採用できない罪状として、性犯罪や強盗、殺人、覚せい剤などを上げている企業は多い。制服を着た状態で見える位置(腕や首など)にタトゥー・刺青が入っている場合もNGと指定している企業もある。そして建設業はてんかんなどの持病によっては採用することが出来ない。

被害者感情と加害者支援の葛藤

 被害者や被害者遺族のことを思えば、「受刑者をフォローする」という考え自体を否定したくなるかもしれない。ただ、元立命館大学教授で刑務所での受刑者の更生支援にも携わってこられた故・岡本茂樹氏の著書『反省させると犯罪者になります』(新潮新書)に「基本的に、私は厳罰化の方向には反対です。理由は、重い罰を与えても人は良くならないどころか、悪くなるばかりだからです」とあるように、厳罰化が犯罪抑止につながるというのは幻想だ。

 ただ、同氏は「しかし仮に私が被害者の立場になり、私にとって大切な人が殺されたら、おそらく私は加害者を殺したいと思うでしょう。(中略)ずるいと思われるかもしれませんが、支援者の立場と被害者の立場を一緒に論じることは不可能です」と続けており、正解が見つかる問題ではない。「感情的」と「合理的」が相容れることは難しく、平行線が続くかもしれないが、議論していかなければいけない議題である。

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