
2018年の「Amazonプライムデー」に販売された商品の一例
書籍のネット販売から始まり、いまや世界最大級のeコマースサイトに成長したAmazon。その強大さはGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)と並び称され、世界を揺るがすほどの影響力を持ち始めている。
Amazonがその中心に据えるのが「Amazonプライム」による顧客の囲い込み戦略だ。その最新状況はどうなっているのだろうか。
プライム会員は世界で1億人を突破、プライベートブランドも拡充
Amazonが世界各国で展開する有料の会員制プログラムが「Amazonプライム」だ。当初は「お急ぎ便」オプションが無料になるサービスとして登場した後、いまでは音楽や動画のコンテンツ、会員限定のセールなど多様な特典を盛り込んだサービスへと成長を遂げた。

日本でも会員数を伸ばす「Amazonプライム」
コンテンツの増加にもかかわらず、プライムの会費は月額400円、年間3900円(共に税込)に据え置かれている。値上げが続く米国とは異なり、日本で値上げの予定は当面ないという。だが、仮に多少値上がりしたとしても、アマゾンの便利さを手放せない状況になりつつある。
プライムデーは全世界で同時開催する年次セールで、2018年は7月16日から36時間にわたり、世界で100万点以上の商品を販売。その売り上げは世界と日本の両方で、Amazon史上最高を更新したという。
実際に売れた商品はバラエティに富んでいる。日本でのベストセラーは洗剤の「トップ」。対象エリアで1時間以内に届く「Prime Now」ではサントリーの天然水が、生鮮品を扱う「Amazonフレッシュ」では高級バナナ、ご当地グルメを扱う「Nipponストア」では福島県産のコシヒカリが最も売れたという。
その中で勢力を伸ばしつつあるのが、Amazonのプライベートブランド商品だ。これまでのOAサプライを中心とした「Amazonベーシック」とは別に、「Happy Belly」の天然水や「Wickedly Prime」のレトルトカレー、「Mama Bear」のベビー用品など食品や日用品に拡大。Amazonの名前を冠していないため気付きにくいが、着実にシェアを伸ばしそうだ。

Amazonのプライベートブランドが食品や日用品に拡大
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