連載

医療福祉の姿勢は「LGBT」の命や暮らしに直結する

【この記事のキーワード】
トランス男子のフェミな日常/遠藤まめた

トランス男子のフェミな日常/遠藤まめた

 数年前に難病患者になってから定期的な通院が欠かせなくなった。病院なんて嫌いだが「2023」と番号の書かれた紙を握りしめて待合室で座っている時間は、少しだけホッとする。別の病院では戸籍上のフルネームを大声で呼び出されて「え、この人?」という視線を感じることがあるから、この病院は少し安心できるのだ。呼ばれるのが番号なら性別のことで困ることはない。

 トランスジェンダーの仲間たちの多くは、体調を崩してもなかなか病院につながらない。生活圏ではない隣町の病院にわざわざ足を延ばす当事者もいる。なかには、通いやすいよう工夫をしている病院もある。私が知っている婦人科は、事前に電話をすればトランスジェンダーの患者が待合室で誰にも会わないで済むよう手配してくれる。ホルモン治療でヒゲが生えていても誰も驚かない。医療機関の姿勢によって、病院はアクセスしやすい場所にも敬遠したい場所にも変わりうる。

 LGBTにまつわる議論がここ数年、国内でとても活発になっているが、命や暮らしに直結するのが、この医療・福祉分野の姿勢であるように思う。同性パートナーがけんもほろろの対応をされる医療機関もあれば、一方で横須賀市の市立病院など、同性パートナーも法的な家族と同様に扱うことを定めた医療機関も出てきている。福祉関係の窓口でもLGBTに関する視点があるのとないのとでは対応がまったく変わってくる。

 LGBTの人たちが医療福祉機関でどのような経験をし、どんなニーズを持ち、現場はどんな実践ができるのかを共有するために、来月10月13日(土)・14日(日)には東京大学で「LGBT医療福祉フォーラム2018」という二日間の企画が開催されることになった。私も実行委員として準備に追われているが、ぜひ医療福祉の各現場で働いている人たちや関心のある人に足を運んでいただけたらと思っている。

 分科会の詳細などはこちら、事前のチケット販売はpeatixのサイトから見られる。

 なんだかとても宣伝っぽくなってしまったが、まぁ集客をまだまだ呼びかけたいので、やっぱり宣伝ということで(笑)。もし周りに関心のありそうな方がいたら、ぜひ広めていただけるとありがたいです。

 以前、仲間たちと作成した「LGBTと医療・福祉」冊子も無料ダウンロードできる。

 で、ご興味のある方はご覧ください。

遠藤まめた

1987年生まれ、横浜育ち。トランスジェンダー当事者としての自らの体験をもとに10代後半よりLGBT(セクシュアルマイノリィ)をテーマに啓発活動をはじめる。主にLGBTの若者支援や自殺予防に関わる。著書に「先生と親のためのLGBTガイド 〜もしあなたがカミングアウトされたなら」(合同出版)ほか。

twitter:@mameta227

サイト:バラバラに、ともに。遠藤まめたのホームページ

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。