異様な取材規制と盛り上がり 本田圭佑カンボジア代表監督・初采配直前現地ルポ

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否定されるのか、これまでの日本のカンボジアへのサッカー支援

 次に気づいた特徴は、本田“監督”と、日本がこれまでカンボジアに対して行ってきたサッカー支援とがうまく連携していないという点だ。

 4日の本田初采配の代表練習は公開となり、多くの市民が見学に駆けつけた。そのスタンドには小原一典技術委員長と、唐木田徹審判ダイレクター(元Jリーグ審判)の姿も見られた。彼らは日本サッカー協会(JFA)や国際協力機構(JICA)から派遣されており、カンボジアのサッカーレベルの向上のために長年尽力してきた人たちだ。しかし、8月の本田圭佑の代表チーム“監督”就任も、彼らはニュースで知ったとされており、今回の本田のプノンペン入りも事前に知らされてはおらず、いまだに、本田“監督”との顔合わせも行われていない模様だ。

 特に、技術委員長を務める小原氏は長年にわたりカンボジア選手の育成に携わり、最も選手に精通したポジションにある。仮に、小原氏らへのコンタクトがないままで、本田“監督”が今回の代表選手の選抜を行い、そして指導を行っていたとのだとすれば、そこには疑問が生じてくる。ケイスケ・ホンダ流では、今までの育成の経緯へのリスペクトは存在せずに、すべてを塗り替えるつもりなのだろうか? もしそうだとすれば、JFAやJICAによる長年の支援を否定することにもつながるだろう。

期待される、カンボジアサッカーの注目度アップ

 最後に、カンボジアにおける本田“監督”への評判に触れてみたい。プノンペン市内において、筆者は6日、カンボジア人50人を対象にしたアンケートを行ったが、本田の“監督”就任を知っていたのは28人で、その多くが若年層だった。一方で、選手としての本田圭佑を認知していた者は34人。サッカーに興味のない年長者を中心として、まだその名前や監督就任を知らない現状が確認できた。日本での報道ぶりと比べ、まだカンボジアにおける注目度は低い。

 10日の本田の“監督”デビューを経て、今後さらに注目が集まることが期待される。

【文・小市琢磨(ロボティア編集部)】

【筆者】
小市琢磨(こいち・たくま)
カンボジア在住22年。現地において長年、日系メディアのコーディネートや取材を行っている。2018年のカンボジア総選挙では日本からの唯一の選挙監視ミッション代表。

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