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警視庁新宿署は今月11日、女性を酔わせて乱暴したとして、会社役員渡部泰介容疑者(42)と、無職大滝真輝容疑者(29)を、準強制性交容疑で逮捕した。渡部容疑者は『リアルナンパアカデミー』という女性をナンパする方法を指導する塾の塾長で、大滝容疑者はその塾生だった。
『リアルナンパアカデミー』の塾生は以前も同様の手口で女性に暴行を加え、準強制性交等罪、集団準強姦罪に問われている。その事件の裁判は今年8月に行われ、『リアルナンパアカデミー』の講義内容や活動の様子が明らかとなった。
『リアルナンパアカデミー』の手口は“酒に酔わせて乱暴する”こと
『リアルナンパアカデミー』で指導していたナンパの手口は、酒を飲んで気分が悪くなった女性をホテルやカラオケ、塾が管理するマンションの一室に誘いこむという卑劣なものだった。
そして、密室内ではなるべく早く女性を酔わせるために、カードゲームなどを実施。ゲームで女性が負けたら罰ゲームとして酒を一気飲みさせ、最終的に昏睡状態にさせていたという。
こういった行為は塾生二人で計画的に実行され、1人の女性に対して2人で交互に性交に及ぶこともあったという。
昏睡状態で体も自由に動かすことのできない女性に性交を迫るということは、「ナンパ」でも「自由恋愛」でもなく「レイプ」であり、立派な犯罪だ。
また酒の一気飲みは、一歩間違えれば急性アルコール中毒によって死に至る危険性もある。それを手引きとして教えたナンパ塾も、女性が死亡する可能性もあると想像することさえできない塾生も、愚かで幼稚としか言いようがない。
「性交の回数を競う」という遊び
こういったナンパ行為は、「女性と性交をしたい」という性欲から実行するものなのだろうか。最初はそういう思いからナンパ塾に入った男性もいるだろう。しかし、『リアルナンパアカデミー』では、塾生同士で月間の性交数を競うということが最大の目的となっていたと思われる。
『リアルナンパアカデミー』のHPからは、リアルタイムで性交の数を競う企画が行われていたことがわかる。月間20人と性交した塾生を祝福する言葉や、「数が足りない」と嘆く塾生の言葉も掲載されている。一カ月に何人の女性と性交できるかは、彼らにとってステータスと化していたのだろう。このとき、性交相手である女性は、その生命すら軽んじられている。
彼らが楽しんでいたものは「女性との性交」ではなく、「性交の数を競う」という塾生同士の卑劣な遊びだった。この遊びで何を手に入れようとしていたのか。酒に酔わせて性交をすることは「ナンパ」ではなく「レイプ」だが、その共通認識さえ彼らは持ち合わせていなかったようだ。
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