あおり運転の被害に遭いやすい車は「白っぽくて小さい」傾向 加害者予備軍も少なくない

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Thinkstock/Photo by Ziviani

 東名高速道路で昨年6月、あおり運転をされて追い越し車線に無理やり停止させられた夫婦が亡くなるいたましい事件があった。この追突死事故で「自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)」などの罪で起訴された被告に、横浜地検が予備的訴因として「監禁致死傷罪」を追加したことが7日にわかった。

 この悲しい事件以降、あおり運転に関する事件を耳にする機会は増加した。9月3日にはあおり運転を受けたことに腹を立てた男が、乗用車に載っていた2人を殴って怪我をさせたとして、傷害の疑いで逮捕されるという事件も起きた。

 チューリッヒ保険会社は7日、全国のドライバー2230人を対象に実施した「あおり運転に関する調査結果」を発表した。

サイズの小さい白っぽい車が狙われやすい?

 「あおり運転を受けたことがある」と聞くと、「ある」と回答した人は70.4%もいた。その内容は、「車体を接近させて、もっと速く走るように挑発された」(78.5%)、「車体を接近させて、幅寄せされた」(21.0%)など、車間距離を詰められるケースが多いようだ。

 また、あおり運転をされた時に運転していた車は「軽自動車」(28.8%)、「コンパクトカー/ハッチバック」(22.8%)など、サイズの小さい車が多く、車体の色は「ホワイト」(26.3%)、「シルバー」(25.8%)といった白っぽい車があおられやすいらしい。

 一方、あおってきた車は、「セダン」(33.5%)、「バン/トラック」(18.3%)などの大きい車が多かった。大きい車を運転していると気持ちまで大きくなってしまう、という人がいるのだろうか。ちなみに、多い色は「ブラック」(27.8%)、ホワイト(23.8%)という結果になった。

あおり運転を警察に通報する人は2%未満

 警察庁は今年1月、あおり運転などの悪質かつ危険な運転に対して、危険運転致死傷罪や暴行罪を適用するなど、厳罰化を公表した。ただ、この「あおり運転に対する厳正な対処」を知っている人は51.2%と半数程度。警察庁が、あおり運転をこれまで以上に問題視している現状を知っている人はあまり多くない。

 また、あおり運転を受けた際の適切な対応を知っている人も少なそうだ。あおり運転を受けた際の対処として、最も多かったのが「道を譲った」(57.0%)。以下、「何もしなかった」(16.6%)、「路肩に停車した」(10.0%)が続き、「警察に通報した」人は2%未満に留まった。あおり運転は事故に至らずとも、暴行罪が適用されることのある犯罪行為だ。あおり運転を受けたら通報することを念頭に入れておくと、大きなトラブルは防げるだろう。

 ちなみに、「運転中に他のドライバーに対してカッとなり挑発的な運転をしそうになることがある人」は37.0%もおり、あおり運転の加害者予備軍は決して少なくない。「自分はあおり運転なんて絶対しない」と自負していても、感情のコントロールはなかなか難しい。「絶対なんてない」と想定して運転するだけでも、多少はイライラせずにすむかもしれない。

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