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平均睡眠時間が足りない…睡眠不足を軽視すると大変なことになる

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Thinkstock/Photo by eggeeggjiew

  アサヒグループ食品株式会社は6日、働いている20代~50代の男女800人を対象に実施した「睡眠に関する意識」に関する調査結果を発表した。「あなたは1日あたり平均何時間寝ていますか?」と聞くと「平均6.2時間」だった。また、「あなたは、平均何時間の睡眠が足りていないと思いますか?」という設問には、「平均2.3時間」という結果となった。睡眠時間の理想と現実に2時間以上のギャップがあるのは驚きだ。

 さらに、同調査では「あなたは、朝目覚めたときに睡眠が足りないと感じることがありますか?』と質問すると、約8割が「とても感じている」「やや感じている」と回答。「全く感じない」と答えた人はわずか13.1%で、多くの日本人が睡眠不足にさらされていることがわかった。

睡眠不足の経済損失は15兆円?

 米国のシンクタンク「ランド研究所」が2016年に発表した調査結果と試算によると、日本の睡眠不足を原因とした経済的損失は約15兆円に達するという。この割合は調査対象5か国(アメリカ、ドイツ、イギリス、カナダ)の中で最も高い結果だった。

 また、株式会社ニューロスペースの「睡眠負債」に関する調査結果では、睡眠不足の原因は1位「仕事や外出などによる帰宅時間の遅さ」(31.6%)、2位「ベッド・布団に入ってからのスマホ」(25.7%)、3位「起床を早くする必要性(通勤・通学時間がかかる)」(18.1%)。長時間労働により就寝時間が遅く・起床時間が早くなることが、睡眠不足に直結していることは明らかだ。

 一方で、誰でも一度は「睡眠不足自慢」を聞いたことがあるだろう。さすがに「24時間戦えますか」とCMで流れた時代はとうに過ぎ去ったが、未だに「寝ずに頑張る」ことが時には美徳と捉えられ、睡眠を軽視する傾向が文化としてこの社会に残っていないだろうか。

 睡眠不足や睡眠の質の低さは、仕事のパフォーマンス低下やミスの誘発、体調不良による休職などを引き起こしてしまう。日本はOECD加盟国の中でも労働生産性が低いが、多くの人が睡眠不足を感じている状況が要因の一つなのかもしれない。

長時間労働脱却に企業の腰は重たい

 NHK放送文化研究所が2016年に発表した「2015年国民生活時間調査」によれば、往復の平均通勤時間は1時間19分だった。テレワークを導入すれば、この時間を睡眠に充てることができ、多少は理想の睡眠時間に近づけることが可能だ。ただ、現実は「セキュリティの問題」「サボる社員が出てくる」などの懸念から、検討さえしない企業も少なくない。

 また、政府は健全な睡眠時間を確保し過労死を予防するための施策として、退社時間と出社時間に一定時間のインターバルを設ける制度「勤務間インターバル制度」の導入を企業に呼び掛けているが、なかなか浸透していないのが現状だ。長時間労働を脱して、十分な睡眠時間を確保することは、個人レベルの努力だけでは難しい。

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宮西瀬名

フリーライターです。ジェンダーや働き方、育児などの記事を主に執筆しています。
“共感”ではなく“納得”につながるような記事の執筆を目指し、精進の毎日です…。

twitter:@miyanishi_sena

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