魂の部分で深く強い絆で結ばれているタキツバ
そんな順調な活動を続けていた2人だけど、いつしか距離が出来ていたのも事実でね。そりゃお互い大人になっていくし成長していくんだから、いつまでも子供のままの仲良しこよしなわけないんだけど、距離というか何となく溝を感じる時期もあったのよね。
いつの頃からか翼くんは堂本剛くんと交流を深め、その影響かコメントの言葉1つにも深みが出てきたり。元々ダンスはピカイチのうまさだったけど、2007年にフラメンコと出会ってからはスペインにも行き始めて。翼くんも凝り性だから、スペイン語を猛勉強し、自宅でも自らスペイン料理を作るようになって友人をおもてなししたりも。そしてついにはスペイン文化特使に就任。独自の道を歩み始めていったのよね。
一方のタッキーは、数々のヒットドラマに出演しますます人気者に。さらに主演舞台を立派に務めあげ、演出も自ら行い、ジャニーズJr.の多くの後輩たちを仕切り育てていくことがいつの間にかライフワークに……。タッキーもよく「俺たちは洋の翼と和の滝沢って感じなんだ」って言ってたけど、自然な流れで両極端な活動へとおのおの向いていったのよね。
ただあまりに違う2人の境遇には、ファンの間でも「タッキーは仕事がいっぱい。タッキー&翼は格差コンビだ!」なんて噂する人もいて、2人の距離はどんどん離れていってしまって。陰ながらアツたちも「どうなっちゃうんだろ?」と心配した時があったんだけど、あれはタッキーが特番でチリに行った時のこと。2013年1月から放送された『滝沢秀明 南米縦断4800Km』(日本テレビ系)で、タッキーはチリのサンディエゴからペルーのリマまで、自分でジープを運転して超過酷な長旅をしたんだけど、大自然や昔からその土地に住む人たちとふれあい、様々な体験をしてきたの。その番組ではタッキーと翼くんとの2ショットの対談もあってね。ちょうど2人の距離が微妙に離れていた時期だったから取材に行ってみたのよ。
タッキーの膨大な旅のVTRを見ながらの合間合間の対談で、収録が始まる前に翼くんをインタビューしたら「滝沢と2人で話すなんて何年ぶりだろう? どんな会話をしたらいいのか分からないからヘンに緊張するわぁ」と、いつになく落ち着かない様子の翼くん。「でもね、あの部屋にこもってパソコンとかをいじってる完璧インドア派の滝沢が外に出るってすごいことだからさ。国内旅行をするにしても、切符の1枚も買えなかった滝沢が、仕事とはいえ南米に行ったなんて奇跡だからね。大冒険で何を感じてきたのか知りたくて」と笑いながら言っていたのが忘れられないの。まるで弟の『はじめてのおつかい』が成功して喜ぶお兄ちゃんみたいな感じで、微笑ましくてね。
そんな翼くんを迎えるタッキーは、翼くん以上にバリバリに緊張していて「酒でもないと話せないよ~。でもまぁ、俺たちも30歳になって、デビューして10年経った。恥ずかしいけど、ここらでもう一度ちゃんと翼と向き合って話さないといけないなって思ってたから、ちょうどいい機会なのかもしれない。これからのタッキー&翼の方向性についても話し合いたい」と言いつつも、やっぱりソワソワしてる感じでね。お互い「それぞれ違う道を歩いているけれど、行き着く先は同じでありたい」と言っていて、いろいろあってもこの2人は結局、魂の部分で、それこそ深く強い絆で結ばれているんだなぁと感じたの。
だって、しっかり者に見えるタッキーを捕まえて「滝沢は電車の乗り換えだって知らないんだよ。俺がいないと1人じゃどこにも行けないだから」と暴露する翼くんに「そんなことないよ。今回の旅で行けるようになったんだから。よく見とけよ、翼」と頑張って反論するタッキー。いやぁ、ホントいいコンビだわ。この旅がきっかけとなって、タッキーは今やマグマに大接近したり、猛然と危険地帯を行く怖いもの知らずの本物の大探検家になっちゃったんだから驚きよ。人間って変われば変わるものよね。