社会

フランスやスウェーデンの待機児童解消策は日本とどう違うのか

【この記事のキーワード】

 フランスと同様に出生率が高く、しかし待機児童がほとんどいないのがスウェーデンだ。まずスウェーデンでは法律で、保育園入園希望者に申し込みから3~4カ月以内に席を用意するよう自治体に義務付けている。保育園に入園可能なのは1歳からで、0歳児の頃は家庭で育てられるよう、育児休業中は自営業も含め、給与の80%が支給される。子どもが1歳となり保育園に入園してからも、小学6年生までの子どもを育てている親は6時間勤務が可能と法律で保障されており、だからスウェーデンの保育園は夜間保育がなく、1日の子どもの保育時間も短い。

 日本のように保育士が長時間労働する必要もない。人員配置も手厚く、保育士1人につき子どもは6人までと定められており、たとえば1クラス18人に対して保育士が3人つく。また、住宅開発にあたって自治体が保育園や学校や病院を適切に配置することも法律で定められており、ゆえにスウェーデンでは徒歩圏内に保育園が見つかりやすく、小規模保育園が多く、小規模でも採算が採れるという。保育園には公立と私立があるが、補助金が下りるため、保護者が支払う保育料は同じである。さすが福祉先進国と呼ばれるだけあって、スウェーデンは抜かりがない。そのぶん税金負担は重いが。

 もちろん、フランスやスウェーデンの方法を日本でそのまま取り入れることは難しく、また取り入れたところでうまく機能するとは限らない。かれこれ40年ほど出生数が減り続け、今後の少子化傾向も見通されている日本において、箱(保育園)を増やすことへの躊躇があるのも当然ではある。しかし今まさに待機児童が存在し、失職を余儀なくされる親がいることも現実だ。

 厚生労働省は待機児童解消に向けて、2013年度~2017年度までの5年間で約50万人の保育の受け皿確保を目標とし、「待機児童解消加速化プラン」および「子育て安心プラン」の支援を行ってきた。2013年度~2017年度までの5年間の保育拡大量は53万5429人で、政府目標を達成したといえる。また2020年度末までには、約29.3万人分の保育の受け皿を拡大する見込みとも公表されているが、「待機児童」が死語になる日は来るのだろうか。

1 2

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。