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「妻を怒らせた次の日のサケ弁当」騒動から考える、弁当って作るものなの?

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Thinkstock/Photo by yumehana

 現在、料理のレシピを紹介するサイト「Tasty Japan」に掲載された“あるレシピ動画”が物議を醸している。その動画は、「妻を怒らせた次の日のサケ弁当」というタイトルで、内容は白米が敷き詰められた弁当箱に、フライパンで焼いたサケを上に乗せるだけ、というもの。

 ネット上では、タイトルから「弁当は妻が作るもの」と読み取り、「なぜ妻が弁当を作る前提なのか?」といった批判的な声が散見された。

そもそも弁当は“作る”ものなのか?

 共働き世帯が専業主婦世帯を上回り、家計も家庭も夫婦ともに支え合うことが常識化しつつある。にもかかわらず、妻が弁当を作るという古い風習を引っ張っていることに怒りを感じたことにはとても共感できる。共感できるが、<そもそも弁当って作るものなの?>という違和感を覚えてしまう。

 博報堂こそだて家庭研究所が昨年に発表した「子育てママの家事の時短」によると、時短したい家事トップ3は、「食事のしたく」(72.5%)、「部屋の掃除」(62.6%)、「散らかったものの片づけ」(57.3%)だった。多くの女性が毎日の手料理にわずらわしさを感じていることが伺える。

 また、少し古いデータではあるが、2014年に東京エレクトロンデバイス株式会社が実施した「家事と夫婦生活に関する意識調査」によると、料理をする時のストレスとして、「献立を考えるのが面倒なこと」(38.8%)が最多だった。

 さらに、同調査では、献立を考えるのにインターネットやアプリを利用していると答えた271人に「あなたは、レシピを検索すること自体、面倒だと思いますか?」と聞くと、「かなり面倒だと思う」(5.9%)、「まあまあ面倒だと思う」(30.3%)、「少しは面倒だと思う」(37.2%)と、73.4%がレシピを検索することすらも面倒に感じているようだ。

 料理は買った食材の賞味期限を気にしながらも、毎日違った献立を考えて手を動かす高度な“知的労働”だ。スーパーには惣菜売り場があり、これだけ多くのコンビニが日本中至るところに開店しているにもかかわらず、その高度な知的労働を各家庭で毎日朝昼晩繰り返す必要があるのだろうか。手料理が愛情の表現だというイメージも、ひとつの神話ではないか。

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宮西瀬名

フリーライターです。ジェンダーや働き方、育児などの記事を主に執筆しています。
“共感”ではなく“納得”につながるような記事の執筆を目指し、精進の毎日です…。

twitter:@miyanishi_sena

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