また、内閣府男女共同参画のサイト内では、薬物やアルコールなどを使用した性犯罪や性的暴行の例を掲載している。
<カラオケボックスで、トイレに立った後、残っていた飲み物を飲んだら、意識がもうろうとし、気が付くと服を脱がされた状態で、ソファーの上に一人で取り残されていた。>
<仕事の打合せの際に出された飲み物を飲んだら、急に眠くなり、下半身の違和感で気が付くと、服を脱がされた状態で床に倒され、裸の人が自分の上に乗っていた。>
<人からよく効く頭痛薬だとすすめられて飲んだら、気持ちが悪くなって、体が思うように動かなくなり、服を脱がされて複数人とセックスさせられた。またその様子を、動画に撮られた。>
どのケースも共通しているのが、性的暴行の加害者が“通りすがりの怪しい男”ではないということだ。
女性の警戒心が足りないから被害に遭う、男はオオカミなのだから女が気をつけるべきだ……といった言説はもう耳にタコができるほど世の中に溢れている。「一緒に酒を飲んだ女も悪い」と見る向きもある。しかし悪いのは酒や薬物を犯罪の道具として利用する人々だ。女性への警戒心を促したり被害女性を責めたりすることは、彼らの犯罪を肯定することにつながる。合意のない性行為は暴力であり犯罪だという認識を、より広げていかなければならないだろう。
▼性犯罪被害相談電話(全国統一)
「#8103(ハートさん)」
ダイヤルすると発信された地域を管轄する各都道府県警察の性犯罪被害相談電話窓口につながる。
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