社会

いよいよ消費税10%、意外に知られていない消費税の実態とは

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諸外国に比べ日本の消費税はまだまだ低い、の意味

 ここまで解説してもまだ、「そうは言っても、日本の消費税は諸外国に比べて低過ぎるのでは?」との声があるだろう。

 たしかに、よく比較されるデンマークなどは消費税が25%、イギリスは20%となるほど高い。ところが国民の豊かさを見てみると、日本とは様子が異なる。税の使われ方が違うのだ。

 消費税が25%とひと際高いデンマークでは、たとえば高齢者の自宅での生活支援(掃除や洗濯など)は無料だ。また入浴などの介護も無料である。これらは自治体がサービスを提供しているのだが、財源は税金である。また、医療費も無料である。さらに出産にかかる費用も100%国が負担している。

 そして、生まれた子どもたちの義務教育から大学までの教育費も無料で、それどころか大学在学中は国から一人につき毎月5000クローネ(約8~9万円)が支給されるのである。ここまで社会保障が厚ければ、生活がかなり楽になり、消費税の高さは気にならないだろう。

 もう1つの比較として、やはり標準消費税が25%のスウェーデンでは18歳まで医療費が無料、小学校から大学院までの教育費も国が負担しており、こちらも大学在学中は奨学金として毎月約10万円が支給される。これらの国と日本の税率を比較することに、意味があるのだろうか。

やるべきことは他にあるのでは

 消費税には、まだ他にも輸出業者が還付金で節税対策を行えるなどのカラクリがあるが別の機会に譲りたい。

 すでに述べたように、デフレ期の増税はかえって税収を減少させてしまう。このようなときは経済成長を促すことで税収を増やすことを目指すべきなのだ。

 しかも経済成長による税収には、税収弾性率というものがあり、名目GDPが1%増えただけで税収は(日本の場合)3%ほど増えることが期待できるとされている。なぜ名目GDPの成長率以上に税収が増えるのかというと、景気が良くなれば、これまで赤字で納税できていなかった企業が黒字になることで突然納税を始めることや、失業中で納税を免れていた人たちが雇用されて一斉に納税を始めるためだ。それではどうやって経済成長を促せば良いのか。

 デフレとは供給が需要を上回っている状態(つまり需要が不足している状態)だ。しかし、実質収入が減少している消費者に消費(需要)を増やせとは言えない。また消費者が消費を抑えている中で企業に投資を促すこともできない。

 ならば、最後の消費者である政府が需要を創出して、需要拡大の最初の一漕ぎを行えば良いのだ。政府には個人のように寿命があるわけでもないし、企業のような利潤追求体ではない。いくら赤字を抱えても(日本の場合は)潰れない存在だ。徴税権と通貨発行権があり、自国通貨建てで国債を発行できる国でデフォルトした国はない。ここが金融政策をEUに奪われている欧州各国とは大きく異なる点だ。

 しかも日本には、一斉に耐用年数を迎えた道路や橋、上下水道管などを更新せねばならない需要と、多発する自然災害への防災設備への需要がいくらでもある。おまけに国債を発行するには好都合な超低金利だ。これを利用しない手はないと思うのだが……。

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