月組公演『エリザベート』で、珠城りょうさまほか歌がうますぎる宝塚若手役者たちの底力を思い知る

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エリザベートの一生を共に生き抜いたような達成感

 そして主役・トート役の珠城りょうさまがまたとてつもなくお美しく、若々しいトートに見えました。お若く見えるトートであるがゆえ、周りの人間たちがどんどん年を取っていってもひとり若いまま(トートは「死」なので、年を取らない)というシュールな感じが強く伝わってきました。

 そしてエリザベート役の愛希れいかさま。今回の公演を最後に退団することが決定しておられますが、全力で、まさにエリザベートそのものを生きておられ、観劇後にはこちらも、エリザベートの一生を共に生き抜いたような達成感が……。我々が体験したのは、ホントに上演時間の3時間半だけだったのかしら……!? とちょっと呆然としてしまったのです。

 ほかにも、エリザベートを暗殺したルイジ・ルキーニ役の月城かなとさまが、あまりにも美人すぎるテロリストであったり、あるいは少年時代のルドルフを演じられた蘭世惠翔さまが、ボーイソプラノそのもののような天使の歌声をお聴かせくださったり、あるいはエリザベートの美容師役の菜々野ありさまと侍女の白河りりさまが堂々と澄んだ歌声をご披露くださったり……と、若手スターさんたちの芸達者ぶりを堪能できる場面を随所に確認できたのでありました。

 初演より数えて通算10回目の上演になるのに、まったく退屈させない、この名演目『エリザベート』。それどころか今回、月組の、いや宝塚の底力を見せつけたこの『エリザベート』。

 こうやって皆さまがどんどん進化していくお姿を拝見するにつけ、wojoも患者さんのために日々もっと勉強しなくては……と、はっぱをかけられた気になるのでした。悪い意味で「やべえやつだよ……」って言われないように、細々とでもがんばります。あ、『エリザベート』の実況CD聴きながら……。

(文/wojo)

【今回の舞台紹介】
ミュージカル『エリザベート』

19世紀後半、ハプスブルク帝国末期に生きた皇后エリザベートの生涯を、「“死”とのラブストーリー」という視点で描いたミュージカル作品。エリザベートを暗殺したルイジ・ルキーニが狂言回しとなり、舞台が進んでいく。

 ハンガリー人の作曲家、シルヴェスター・リーヴァイと、プラハ生まれのドイツ人、ミヒャエル・クンツェが共同で制作し、1992年にオーストリアのウィーンで初演。日本では1996年、宝塚雪組にて当時のトップスター・一路真輝の退団公演として上演された。

 宝塚では今回の月組公演が通算10回目の上演になり、『ベルサイユのばら』と並ぶ、宝塚の超人気作品である。

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