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清原和博がいまでも続く薬物への誘惑を告白「死にたくなるんですよ」

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 その結果、生活は荒んでいった。酒の量は増え、夜の盛り場で過ごす時間も長くなり、交友関係に品行方正とは言い難い世界の住人も混じり始めた。そこで覚醒剤に出会ってしまう。彼は薬を始めた理由を<自分が何者なのかわからなくて、そういう嫌な自分から逃げたくて、酒を飲んで、その挙句にやった気がします>と語るが、覚醒剤は人生に思い悩む清原にとって、現実逃避の手段となった。

 その結果、荒んだ生活を送るようになり、前述「週刊文春」記事をきっかけに家族からも見放され、ますます転落していく。そして、逮捕に至るのだった。

 逮捕から2年以上の時が経つが、彼を薬に溺れさせた要因は根本的には解決していない。清原自身も<まだ生きていく力が湧いてきていないっていうのは本音です>と認めつつ、これからも薬との戦いを続けていく決意を語っている。

<これまでは薬に逃げていましたけど、今はその逃げ道もなく、ずっと落ち込んだ自分と戦っていくしないんで、容易なものではないな、と実感しています>

 『清原和博 告白』からは、現在の清原がいつもう一度どん底に落ちていくかわからない綱渡りの状況にあることがよくわかるが、それを率直に述べる姿勢には目を見張るものがある。

 「もう薬への欲求はないです」などと言い切ってしまえば、あらぬ疑いをかけられずに済むし、本人的にも楽だろう。しかし、それは薬物依存に対して真摯に向き合う態度とは言えない。

 清原は嘘をつかずに「病と共に生きる」という態度を表明した。前述の通り、清原を覚醒剤に向かわせた根本の原因はなくなっていない。そこで大事になってくるのは、友人や仕事仲間など、周囲のサポートだろう。本のなかでは、薬物中毒患者が悩みを打ち明け合う集いにも参加してくれるパートナーの女性の存在もほのめかされている。こういった人間関係は清原にとって大きな希望となるはずだ。

 清原は薬物依存のなかで鬱病を併発し、<死にたくなるんですよ>とまで語っている。薬物依存との戦いはこれからも長いものとなる。それでも、いつか、野球に関わる仕事をしながら、またかつてのような笑顔を浮かべる清原が戻ってくる日が来ることを切に願う。

(倉野尾 実)

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