星野源「アイデア」には、くも膜下出血の闘病と復活による変化が込められている!?

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 これは、舞台で共演した中村勘三郎が語っていた「舞台での観客の拍手を聞くのは本当に嬉しいけれど、家に帰ってお風呂に入るとひとりぼっちになる」といった内容の話を、悩み過ぎて孤独になってしまう自分自身と重ね合わせて歌ったものだと本人は語っているが、確かに前述の対談で星野が言うように<僕のことを誰かわかってくれ!>という主張が前面に出ている。

 一方、病気が治ってからの「SUN」には、自分の心のなかにどんどんこもっていくような要素はいっさいない。<Baby壊れそうな夜が明けて/空は晴れたよう/Ready頬には小川流れ/鳥は歌い/何か楽しいことが起きるような/幻想が弾ける/君の声を聞かせて/雲をよけ世界を照らすような/君の声を聞かせて/遠い所も雨の中も/すべては思い通り>と歌われるこの曲には、外の世界への好奇心と賛美が明るく歌われている。

 ただ、先日Wezzyでも記事にした通り(星野源が『逃げ恥』ブームに抱いていた葛藤、「アイデア」の暗い歌詞に反映)、星野はここからもう一段階、心境の変化を遂げることになる。

 きっかけは『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系/2016年10月11日から12月20日放送)。『逃げ恥』ブームにより国民的スターになると、今度はメディアによって自分のパブリックイメージがひとり歩きしていくことにストレスを感じ、<2017年は実は結構塞ぎ込んでいまして。(中略)いろんな自分の環境が変わったり、いろんなことがあったりして、すごく辛い1年だったんですよね>(8月21日深夜放送『星野源のオールナイトニッポン』)という状況になってしまうのだ。

 その辺りは、<おはよう 真夜中/虚しさとのダンスフロアだ/笑顔の裏側の景色/独りで泣く声も/喉の下の叫び声も/すべては笑われる景色/生きてただ生きていて/踏まれ潰れた花のように/にこやかに 中指を>と歌われる「アイデア」の2番に反映されている。

 星野のたどってきた道筋を追っていくと、人生のままならなさを痛感してしまうわけだが、彼の歌詞にはそういった人生が濃縮されてこめられていることを考えながら聴くと、今夜『ミュージックステーション ウルトラFES』で歌われる「アイデア」も、また違った味わいをもって聴こえてくるのではないだろうか。

(倉野尾 実)

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