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金足農業の写真集がオリコン1位・甲子園フィーバーで忘れられた高校野球の問題点

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Thinkstock/Photo by  gyro

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 大熱狂のまま幕を閉じた第100回全国高校野球選手権大会。優勝候補筆頭だった大阪桐蔭高校(北大阪代表)が下馬評通りの力を見せ、優勝を飾った。ただ、大阪桐蔭高校よりも大きな注目を集めたのが、準優勝校の金足農業高校(秋田代表)だ。エースの吉田輝星投手を中心とした粘り強い野球で、県立高校であるにもかかわらず、横浜高校(南神奈川代表)や日大三高(西東京代表)といった強豪私立を撃破する姿に、胸を熱くした人は多いのだろう。

 大会中に起こった“金農フィーバー”は、大会が終了してからも収まることなく、同校が秋田県のローソンと共同開発した「金農パンケーキ」は売り切れ続出。東洋水産は、一昨年に生徒たちと共同開発した即席スープ「誉れの秋田」を18日から再販売するようだ。

 さらに、9月17日付オリコン週間“本”ランキングで、同校の軌跡を追った『報道写真集「金足農 感動の軌跡」』(秋田魁新報社)が、「スポーツ関連」と「写真集」の2ジャンルで1位に輝いた。金農フィーバーが様々なところで経済効果をもたらしている。

 ただ、日本高校野球連盟(以下、高野連)は、この盛り上がりに「待った」をかけた。高野連が定める日本学生憲章には、「学生野球は、学生野球、野球部または部員を政治的あるいは商業的に利用しない」と記されている。高野連はこういった経済活動に対して、新しいルール作りの検討を進めると産経ニュースは報じた。今後、金農フィーバーがどう展開するのか注目が集まる。

高校野球は高校のプロモーションの場になっている

 高野連は今回、迅速な措置をとったが、高校野球それ自体を、生徒を集めるための“プロモーション”としている高校、つまり“売名”目的で野球部強化に力を入れている高校を黙認していることについては、どうなのだろうか。少子化が深刻化しており、受験生を集めるだけでも一苦労な今の時代。甲子園に出場したとなれば、地元の中学生に向けた強力なPRになる。

 その“宣伝効果”を狙って、県外の優秀な中学生を自校に誘う「スカウティング」に力を入れている高校は少なくない。そういった行為自体、日本学生憲章の「学生野球は、学生野球、野球部または部員を政治的あるいは商業的に利用しない」に抵触していないだろうか。

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宮西瀬名

フリーライターです。ジェンダーや働き方、育児などの記事を主に執筆しています。
“共感”ではなく“納得”につながるような記事の執筆を目指し、精進の毎日です…。

twitter:@miyanishi_sena

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