連載

「飲めるアロマオイル」のマルチ商法が危険すぎる! おしゃれイメージに隠された罠

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ドテラの認定講師になるには100人に施術しなくてはならないこと。ドテラ社はネットワークビジネスであること。食品ではない雑貨として売られているものなのに、簡単に人に飲ませたり希釈もせず肌に擦り込ませることを勧めている、などを知ったのでした。ネットワークビジネスといえば聞こえはいいですが マルチだよねこれ……と、もうガックシ。B子さんはきっと、ドテラ講師に心酔し、家族の健康を祈って始めたのだと思います。人を騙すつもりではなかったのでしょうが、おかしな世界にからめとられてしまったことが残念でなりません」

 それからのB子さんは、マルチ系アロマだけでなく、個性心理学セミナーを開催したりハンドメイド作家育成を謳いはじめたり、時にはユーチューバーになってみたりと、きな臭い方向へ爆走していきます。

そうなると、B子さんのFacebookにはキラキラ風味の怪しい人たちがどんどん増えていくんですよね。お金のブロックを外すセミナーへも行ったそうです。そしてB子さんを経由して、私のところにもやってくるキラキラな人たちからの友達申請。私までキラキラ起業家女子の一味で、マルチ系アロマ愛用者と思われたらそれこそ仕事に支障が出てしまうので、心底迷惑です。

 共通の知り合いである、メジャーな協会のイントラ資格を持つアロマテラピストの話では、B子さんも同協会の一級を持っているとか。一級はあくまで自分や家族に使える程度で、他人に施述していいレベルではないとはいえ、それでも精油のことをある程度学んでいるはずなのに、なぜドテラへ傾くのか理解ができないと言っていました」

いつか重大な事故が起きそう

セラピストさん曰く、中には飲める精油もある。だけどそれはインストラクターレベルまでしっかり学んだ人がさらに深く学んだうえで、自己責任である一定の期間だけ飲むとてもレアなケースであり、毎日飲みつづけることは絶対にないそうです。そのセラピストさんは飲むことはしない主義ですし、やはり『精油は飲まない』が基本であると。薄めずに原液を塗布することも肌への刺激が強すぎますし、ましてや飲めば粘膜を傷つけたり肝臓や腎臓に負荷をかけるので非常に危険だと。だから、安易に人に精油を飲ますマルチ系アロマのやり方は、いつか重大な事故が起こるのでは? と懸念していたそうです。

 アロマの正しい利用法を知るにつれ、恐ろしさを再認識してしまいます。ドテラを宣伝している人たちの中には、B子さんのように素人レベルの知識で、飲める塗れると無責任に言っている人たちが多いようなのです」

 目を覚ましてほしい一心で、真正面から危険性を指摘するものの、それを「偏見」と反論するB子さん。Sさんが下痢になったことに対しては「それだけ毒が溜まっていると捉える人もいる」と訴え、ドテラのアロマで身内の病状が改善したと主張。最終的には、Sさんが「嘘を交えて大げさに触れ回り、ドテラの精油をバカにする口汚いひどいやつ」扱いに……

なぜ周囲は断りにくいのか

彼女は『ドテラを愛用しているひとは純粋にドテラを愛しているんです』と言いました。このセリフを聞いて私はようやく、この人もうダメだ。と思いました。精油の使い方が薬機法違反だし健康被害が出たら……という話には、『では現代医療はどうなんですか? 医療ミスだってあるじゃないですか! ドテラの健康被害については弾糾するくせに、医療ミスには何も言わないんですか!?』とトンチンカンなことも叫びはじめましたね」

 今やすっかり疎遠になったものの、1カ月前にB子さんを街で偶然見かける機会があったそう。傍から見れば、穏やかでセンスもいい十分に素敵な女性。それがさらに「ドテラなんかやってなければもっと素敵なのに」なる、残念な気持ちが高まると語ります。

今回のことで、このアロマのマルチ商法が主婦の間に広がってきていることを知りました。ということは、困っている人もそれだけいるでしょう。主婦ということは信者たちと子どもの学校が同じだったり近所だったりするので、拒絶したくてもなかなか難しい。やんわり断ったり、距離を置くにも波風たてないよう気を配ります。非常に周りに気を遣わせてしまっているのに、彼女らはそんなこと考えてもいないでしょう。クレームが出にくいのは認められているのではなく、『これからの生活のことを考えて言えない』のです」

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山田ノジル

自然派、エコ、オーガニック、ホリスティック、○○セラピー、お話会。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のないトンデモ健康法をウォッチング中。当サイトmessyの連載「スピリチュアル百鬼夜行」を元にした書籍を、来春発行予定。

twitter:@YamadaNojiru

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