親の負担を気にして「塾に行きたい」と言えない子ども

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貧困家庭の子どもをサポートする取り組みは着々と広がっている

 学習サービスを受けられる子どもと受けられない子どもとの間に学力格差が生じることで、将来の選択肢にまで影響を与える恐れが出てくることはすでに指摘されている。世帯収入が低い家庭で生まれたため進学を諦め、より高賃金の職種を選ぶことができずに世帯収入の低い暮らしをせざるを得ないという「貧困の連鎖」は、ずいぶん前から問題視されている。

 この連鎖を断ち切るため、ボランティア講師が無料で学習支援を行う「八王子つばめ塾(東京都八王子市)」や「甲州無料塾ココロ(山梨県甲府市)」といった無料塾が各地で開講されるなど、様々な団体が取り組みを行っている。

 さらに東京渋谷区は昨年、公益社団法人「チャンス・フォー・チルドレン」と協力して、同区在住の貧困世帯の中学3年生に学習塾代として使えるクーポンを提供すると発表した。資金はクラウドファンディングで募り、1000万円だった目標額を大きく上回るm約1億4000万円もの寄付金が集まった。

 世帯ごとに完全な教育の平等を実現させるのは難しいことだが、「勉強したい」という子どもの意欲が経済的理由で失われてしまうのは非常に悲しいことだ。子どもが前向きな気持ちで勉強に取り組める環境を積極的に模索したい。

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