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貴乃花親方が日馬富士の暴力を「事件化」したことが、相撲協会にとって「間違い」なのか

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写真:日刊スポーツ/アフロ

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 大相撲の貴乃花親方(46)が25日、日本相撲協会に「引退届」を提出。引退を決意するにいたった経緯に、協会側の圧力があったかどうかが議論になっている。

 騒動の発端となっているのは、昨年10月26日、貴乃花部屋の貴ノ岩が元横綱の日馬富士から酒席で暴行を受け、全治2週間程度の怪我を負った事件だ。貴乃花親方は鳥取県警へ被害届を提出。相撲協会には「1脳しんとう、2前頭部裂傷、3右外耳道炎、4右中頭蓋底骨折、髄液漏の疑い」との診断書が提出され、貴ノ岩は11月場所を全休した。

 この“傷害事件”を、貴乃花親方が警察へ届け出たことが、暴行そのものを隠蔽したい相撲協会との亀裂が深まったとの見方が一般的だろう。その後、貴乃花親方は、日本相撲協会の危機管理委員会による貴ノ岩への聞き取り調査の要請に、「警察の捜査が終了してから調査に応じる」としたことも、「大相撲を崩壊させたいのか」と非難する向きがあった。

 結局、引退を表明した日馬富士は、12月28日に傷害罪で略式起訴され、鳥取簡裁から罰金50万円の略式命令が下された。日本相撲協会は臨時理事会を開いて貴乃花親方の理事解任決議を行い、今年1月4日の臨時評議員会にて貴乃花親方の理事解任が正式に決まった。2月2日の理事候補選挙で貴乃花親方は落選。

 こうした一連の流れを経て、3月9日、貴乃花親方は元横綱日馬富士の貴ノ岩への傷害事件に関する日本相撲協会の対応についての告発状を内閣府公認認定等委員会に提出した。ところが3月18日、貴乃花部屋の貴公俊が付け人の顔を複数回殴打していたことが発覚し、貴乃花親方は「弟子の不行き届き」があったとして告発状を取り下げた。そして翌3月29日、監督責任を問われた貴乃花親方は、日本相撲協会から親方衆の階級としては最も低い「平年寄」への降格処分を受けた。

 今回、「引退」会見をした貴乃花親方は、この一度は取り下げた“告発状”について言及。いわく、8月7日に日本相撲協会から「告発状は事実無根な理由に基づいてなされたもの」と結論づける書面が届いたという。

 貴乃花親方は<私は書面で事実無根ではないことを説明してきましたが、その後、告発の内容が、事実無根な理由に基づいてなされたものであることを認めないと、親方を廃業せざるを得ない、という有形無形の要請を受け続けてまいりました>と、黒いものを白いと言わせる協会側の圧力を示唆。

 さらに、日本相撲協会は「全ての親方は一門のいずれかに所属しなければならず、所属しない親方は部屋を持つことができない」と決定したが、貴乃花親方は<私はいずれかの一門に入るための条件として、告発の内容は事実無根な理由に基づいてなされたものであることを認めるよう、要請を受け続けて>きたという。

<しかしながら告発状は、事実無根な理由に基づくものではありません。真実を曲げて告発は事実無根と認めることは私にはできません。一方で、このままでは、私はどの一門にも属することができません。これでは貴乃花部屋に属する力士たちは相撲を続けることは困難になり、安心して鍛錬、精進することができません。
このような状況において、断腸の思いではありますが、貴乃花部屋の力士、床山および世話人は全員継承者である、千賀ノ浦部屋に所属先を変更させていただき、私貴乃花光司は年寄を引退させていただくことが最善の道であると苦渋の決断をするに至った次第です。>

 これが貴乃花親方の主張である。

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中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

バナナ&ストロベリー

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