貴乃花親方が日馬富士の暴力を「事件化」したことが、相撲協会にとって「間違い」なのか

【この記事のキーワード】

 一方、日本相撲協会では芝田山広報部長が記者会見を開き、<告発状が事実無根だったことを認めなければ廃業せざるを得ない、というような圧力をかけた事実は一切ない>と<一門に所属しない親方は廃業しなければならないという決定も事実もない>、貴乃花親方の主張を否定している。

貴乃花を追い出して終わりではない

 今年2月7日に放送された特別番組『独占緊急特報!! 貴乃花親方105日沈黙破りすべてを語る』(テレビ朝日系)において、貴乃花親方は日馬富士による貴ノ岩への傷害事件と、その後の相撲協会の仕打ちについて赤裸々に打ち明けていた。

 事件発生後、相撲協会への報告よりも先に警察へ被害届を提出したことについて、貴乃花親方は<私は正しかったと思います><相撲協会は警察的に機能する国家的な組織ではございませんので>と述べている。

 しかし協会からは被害届の取り下げを要求されたという。また、日馬富士には記者会見という弁明の場が与えられたが、貴ノ岩にそのような機会は与えられなかったことに貴乃花親方は憤りを感じ、貴ノ岩の陳述内容などを盛り込んだ独自の報告書を作成。昨年12月20日の臨時理事会に提出したものの、親方理事たちは興味のない様子だったという。

 そして「事件について協会への報告の義務を怠った」ことを筆頭に、「深刻な緊急事態の発生を認識した以上、協会に第一報をすべきだった」「協会理事、巡業部長として誠実に職務をしていなかった」などとして、貴乃花親方の「理事解任」が決定している。

 また、3月に貴乃花親方が「平年寄」への降格処分を受けた理由として公表されているのは「春場所中の無断欠勤及び出勤要請への拒否、無視」と「貴公俊への監督責任」だったが、貴乃花親方が理事会や年寄総会を欠席していたのは内閣府に告発状を出すための弁護士との打ち合わせなどに時間を費やしていたためだったという。当時、貴乃花の協会への態度は「反発的」と報じられていた。

 貴乃花親方が守りたいものは、まず第一に、現在いる弟子たちのことだろう。そして自身の矜持なのだと思う。日馬富士から貴ノ岩への暴行があったことを内々に処理せず、きちんと警察に報告し事件を公開したことは、貴乃花親方にとっての“正しさ”であり、客観的に見ても正しい行動だ。一方で相撲協会にとってその行動は、大相撲の人気を損ないかねない危険なもので、看過できなかったということなのかもしれない。

 となれば、やはり相撲協会の隠蔽体質にこそ問題があり、改革が必要であることは明らかだろう。貴乃花を協会から追い出して終わり、という問題ではない。

1 2

「貴乃花親方が日馬富士の暴力を「事件化」したことが、相撲協会にとって「間違い」なのか」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。