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元夫のDVで離婚、再婚後の子どもの面会交流はどうするのが正解なのか

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Thinkstock/Photo by Hakase

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 離婚などの事情で離れて暮らす親と子が一定時間面会する「面会交流」。その頻度や方法などについては、離婚時に話し合い、取り決められる。2011年の民法改正では協議離婚の際にこの面会交流などの取り決めについて「子の利益を最も優先して考慮しなければならない」と定められた。そしてまた近年、この面会交流をめぐり、調停や審判の申立件数が全国的に増加している。

 今回は調停には至っていないが、一度取り決めた「再婚後の面会交流」についての約束変更を元夫が望んでいるとして悩む、元妻からの相談を紹介したい。

「面会交流を続けたい元夫、やめたい私」

 トピ主(36歳・女性)は1年半前に元夫と離婚。5カ月前に現在の夫と再婚した。離婚理由は元夫のモラハラ、暴力だった。長女の妊娠判明後から元夫のモラハラや暴力がエスカレートしたため、トピ主は身の危険を感じ、当時生後11カ月の娘を連れて実家に戻った。その後、別居後半年で離婚が成立したという。

 このとき離婚条件として夫が希望したことのひとつが、毎月1度、元夫と長女の面会交流(娘の年齢上、トピ主も同伴)を実施するということ。トピ主もこれを認めた。だが離婚して約半年後に今の夫と出会い、お付き合いを経て結婚。現夫と出会った時に娘はまだ1歳で、今の夫のことは自然に“父親”だと認識し、仲良く平和に暮らしているという。

 再婚については現夫との付き合いが始まった頃から元夫にその可能性を伝え、「もし再婚したら、面会交流をやめる」ということに元夫も一度は同意していた。もともと離婚条件の話し合いの時点で、このケースの場合は面会交流中断ということになっていたからだ。そして入籍直前の面会を最後に、約半年間、面会交流はしていない。

 だが、元夫からこのたび「月に一度が無理ならば、頻度を落とし、年に3~4回でもいい」「父親とは名乗らない。時々会いにくる●●おじさんとして」等の新条件を提示され、これからも定期的な面会交流継続を求められたトピ主は悩んでいる。

「離婚時の子供の年齢によっては、面会を続けた方が良いケースも多々あろうかと思いますが、娘の場合は当時生後11か月で、元夫との記憶はありません。その場合でも、元夫の希望を尊重すべきなのでしょうか。今の家庭に微妙な空気を流したり、何より私自身が、元夫と会うとなるだけでも動悸がして具合が悪くなるような状態なのに、それでも続けるべきことなのか、世間一般的な意見が分からず投稿させていただきました」

という相談だ。もともと再婚時は面会をやめるという取り決めだったのなら、応じなくても良いように思うが、さてコメントを見てみよう。トピ文の情報だけだと、“元夫と子の面会交流は続けた方が良い”派が多い。

「お子様が小さくて父親の記憶がないとしても『父親』ですトピ主にそれを取り上げる権利はありません。元夫の希望を尊重ではなく 子供の権利を尊重です。
今後逢わせないとしても いつか子供は存在を知ってしまいますし 逢わせなかった事を恨まれるかもしれませんよ
頻度を落としてでも交流は続けましょう。母親としての責任ですよ。」

「あなたは今の旦那さんを父親として娘さんに刷り込んでしまえばいいと思ってるんでしょうけど、いくつの時に別れようが、面会交流に子どもがどういう印象を持とうが、記憶があろうがなかろうが、あなたの娘さんに実の父親と会わないでいい理由がないように思うのは私だけ?」

「お子さんが大きくなって実は生物学上の父親が別にいるとわかったとき
『私があなたと父親を会わせない判断をした』と正直に伝える覚悟はありますか?
お子さんから責められるかもしれない、縁を切られるかもしれない。
あるいは『あ、そ』で終わるかもしれない。
それでも元夫のせいにせずにできるのなら、そのような判断もあるのかもしれません。
私個人としては、危険性がないのなら子どもの権利を奪ってはダメだと思いますが…。」

「皆さんおっしゃるように面会交流は子供の権利であってあなたの権利ではないのです。あなたの権利でないものをあなたが勝手に差し止めようとするならば、わたしなら徹底的に抵抗して法的手続きで認めさせるようにします。そういったことをされることも覚悟したほうがいいですよ。」

 少数派の“会わせなくて良い”派は、元夫との離婚理由に絡み、先延ばしも良いのではとコメントしていた。

「面会交流は子供の権利というレスに違和感を覚えます。1歳の子供が、自分は本当の父親と面会する権利を有していると理解しているはずもなく、その権利については親権を持つ母親の裁量に委ねられているものと思います。
親権を持つ母親は、子供の健やかな生育のために必要な判断を下せばよいと思います。
母親自身が『元夫と会うとなるだけでも動悸がして具合が悪くなるような状態』では、子供の健やかな育成にはマイナスでしかないと思います。
事前に面会交流中断の合意もあることですし、貴方自身が平常心でいられるようになるまで先延ばししても良いのではと思います」

 この段になりトピ主レスで追加情報が書き込まれた。養育費は「離婚時、不要と伝えましたが向こうが払いたいというので、金額は任せ、約1年の間 月2万円振り込まれていました。私の再婚を機に、養育費はなくして構わないとこちらから申し出、なくなりました」という。暴力が大きな離婚原因ではあるが慰謝料は求めておらず、逆に、財産分与としてトピ主から200万円支払っているそうだ。

「養育費の支払い有無が、面会交流には関係ないことは分かっています。再婚を機に養育費を断ったのは、面会交流を辞めたいのとは別の理由で、こういう時減額するのが一般的であるということで、もともとの金額が2万円なので、減額というか無しにしていいだろうと思った次第です。
娘に将来事実を話す時、私の意思で父親と会わせないようにしてきたことを隠すつもりはありません。
が、離婚理由や、父親がどんな人だったのかをどこまで話すかについてはずっと悩むところです。
本当のことを知りたいだろうけど、妻を毎日殴る蹴るの暴力を振るうような人の血が半分入っているなどと考えたらショックだろうなという思い、
離婚相応の理由があったのだ、自分もだけどあなたの幸せのためにも離婚したのだということを理解してほしい思い。(当時、元夫は娘に虐待ではと思うようなこともしていたので)
事実を伝えるのはずっと先、娘が成人した頃をと考えていましたが、もっと幼い頃から事実を伝えたうえで、今のお父さんは養父であり時々会っている人が父親なのだと認識させて育てた方が良いのでしょうか。
私と現夫は、しかるべき時期が来るまでは普通の親子として暮らしたいです。」

 こう再び綴るトピ主。離婚理由であるDVの牙を再び子供に向けられるのではないかという不安を覚えているからこそ、こうした相談を寄せたのだろう。そりゃ誰だって、かつて子に虐待のようなことをしていた人間にまた子を会わせるのは不安で心配だ。これにもやはり、同じように“会わせたほうが良い”派からコメントが寄せられたが、今回はより具体的にその理由を書き込んでいた。

「対元夫さんについては、面会を合法的に断ることは難しくとも、違法にならない程度に断る方法はあるでしょう。
それよりも問題なのは、娘さんに対してです。
娘さんが将来大きくなれば、戸籍を見る機会が当然ありますよね。
いくら再婚して新しい父親に懐いたとしても、元夫さんが実の父親だという事実は消えません。
そして、実の父親がどんな人かについて知りたいと思う可能性は当然あります。
娘さんが成人すれば、誰の許可も得ずに会いに行くことだってできます。
その時、トピ主さんが言っているのと話が違ったら(しかも証拠付きで出されたら)
トピ主さんと娘さんの関係がその後どうなるかはいわなくともわかるでしょう。
過去、トピ主さんに対してモラハラや暴力があったことは事実としても、
それを娘さんは覚えていないし、元夫さんが今更娘さんに同じ事をするとは思えないので、
トピ主さんとは元夫さんに対する評価は異なるはずです。
また、場合によっては『どうしてそんな人と結婚したの?』というように、
トピ主さんが非難の対象になることも考えられますよ。
なので、トピ主さんの価値基準ではなく、あくまで娘さんの立場で考える事、
将来娘さんが事情を知ったときでも胸をはっていられるような行動をとることが重要です。」

 たしかに! 元夫はトピ主に対してはDV気質で、当時は子にもそうした態度があったとしても、人間は良くも悪くも変わることがある。娘さんが成長して元夫に会った時、良い印象を抱いていたら“どうしてお母さんは私とお父さんを会わせてくれなかったのか”と不信感を抱くだろう。面会は「子の権利」というコメントがその後も続いたところで、再びトピ主レスが書き込まれた。

「今の夫と娘は、もちろん養子縁組しています。
そして元夫から要望があった時には、娘の写真や動画を送って成長を知らせています。
別居開始後、私は実家にいて実家の住所は知られていましたが(無断で押しかけ会うのを実母が断ったら玄関で待ち伏せされていたこともありました)、再婚後は、新住所を知らせていません。
頭では分かっている、『子の権利』という言葉 なかなか心と頭が追い付かない状況です。(略)どなたかのレスで、今の夫を父親として娘に刷り込んでしまえばいいと思っている、
変えようのない事実を塗り替えて具合が良くなりたいだけ、というお言葉がありましたが
自分が思っている『面会拒否正当化の理由』は、少し言い換えたらそういうことなのだなと、はっとさせられました。」

 なんか……トピ主すごく冷静だし、近来稀に見る聡明なトピ主じゃないですか……? フラットに娘さんの将来と現状を考え、また自分のことも見つめ直している。こんな対応なかなかできないよ。これまで小町で散々、厳しいコメントをつけられて応戦したり怒ったりするトピ主を見てきただけに、感動が大きい。しかも、このトピはコメントも、かなり冷静なものが多い良トピなのである。

「面接交渉、親の子ども合う権利は絶対ではありません
反対に、子どもが親に合う権利は絶対であると考えます
しかし今はまだ小さく何も知らないお子さんの代わりに、トピ主さんが親権者として、子供の成長に実の父親との面会がプラスになるかマイナスになるかをしっかり判断しなければなりません

>世間一般的な意見
を考慮したとしても、お子さんを育てるのはトピ主さんと協力者の今のご主人、マイナスの影響があった場合の責任を他の誰も負いません
そして、事実は告げなければなりません
今のご主人が本当の父親でないことはもちろん、実の父親についても同様です」

「(元夫が)殴るけるなどがあったことについてはぼかして説明された方がいいでしょう。それもお子さんが思春期をほぼすぎてかつお母さんお父さんとの信頼が確たるものになっていたらです。今の主さんご夫妻とうまくいっていたら実際に自分に被害があったわけではないのでおそらくは『母親にとってはあまり良い父親ではなく離婚にいたったらしい』でそれなりにうけとめてくれるのではないでしょうか
とりあえず自分は悪くない的に記憶のないお子さんに夫さんのやったことをそのまま転送するのはやめたほうがいいと思います。あなたのためを思ってもいらない。それはお子さんが自分で考えるでしょう」

「『面会は子供の権利』というけれど、当のお子さんがそれを望んでいるのでしょうか?
私は、新しい家族との関係性を強固にし、新しいお父さんとの絆を確立させ、穏やかな家庭を築くことがまずは第一だと思います。
子供が健やかでのびのびと成長できる環境を整える事
子供の権利は、まずそれが優先だと思います。
モラハラ、DVをする元夫との面会は、お子様が健やかに成長するために、今、必要な事なのでしょうか?
お母さんが体調に変調をきたしてまで、今、守るべき権利なのでしょうか?
お父さんの実の子供でない事は、将来かならず子供が知る事になります。
その時、お子さんが本当の父に会いたいと思った時が、『子供が父に合える権利』を守ってあげる時だと思います。
その時は、子供に危険が生じる心配がなければ、親は子の意思を尊重すべきだと思います。
でも、今はその時ではないと思うのです。
そもそもこの面会を希望しているのは、わが子を妊娠した妻に暴力をふるった男の希望です。
お子さんの希望ではありません。
そんな暴力男に幼いわが子を合わせるなんて、母親だったら嫌に決まっています。
私は、お子さんの為にも、まずはお母さんであるトピ主さんが、元夫の事を考えても動機をおこさずに済むようになるまでは、元夫との面会は拒否してもいいのではと思いますよ。
元夫に合う事で今の新しい家庭が壊れたら、それこそ子供の健やかな成長を妨げる事になりますから。
今のお子様に、暴力男は必要ないと思います。」

 なるほどなぁ。ほんとに、感心したりうなずいたりすることしかできないよ。またこうしたコメントを受けてのトピ主のアンサーも冴えている。

「新しい暮らしにも慣れた頃、久しぶりに元夫から連絡が来て、私からの反応を無視し交流再開について何度もメールが来るうちに
近頃おだやかになっていた心がまた乱され、考えが短絡的に『あんなことをされた元夫に、こんな思いをしてまで会わせねばならないのか』という心境になっておりましたが
皆さまのレスを読んでいるうちに、会わせる・会わせないの問題よりももっと前にある、『娘が血縁上の父について知る権利』について、今一度考えることができました。
(略)
正直に言うと心の根底には、『娘が会いたがらなければいいのに』という思いがあり、未熟な私は現段階ではまだ、それを払拭することはできません。
しかし、理性を強く持ち、母親である私が娘にわざとそう思うように仕向けることや、元夫の悪口を言うことは避けていかねばと思っています。
実際にされたこと等の具体的なことを話すのこそ、当所実の父親について話すタイミングと思っていた成人後の年齢で、かつ娘が聞いてきた時でいいのかなと思っています。
きっと成人後の年齢なら、人に洗脳された考えではなく自分の意思で、当時の私の思いや当時の事実について自分自身の考えを持つことができるのではと。」

「暴力をふるうような元夫と会わせるのが果たして子供の利益になるのか、危険はないのか…というご意見も頂戴しました。
私もその思いがもともと強く、会わせることに消極的な考えでしたが、過去の面会時も、ショッピングモール内等、人の目に触れるところでしか行っておらず(元夫からホテルの個室でという提案がありましたが、人の目のない密室では恐怖しかなく、私が場所を提案していました)、今後もそのようにしていきたいと思います。
そして、まさか娘に危害を与えることはさすがに…と思いながらも、今はまだ本心からそこを信じられていませんので
(同居時代、たまに娘に触れるかと思えば、泣き続ける娘に対し『あやし』の範囲を超えた揺さぶりで泣きやませたり、『俺が作ったミルクが飲めないのか、残すのか』と欲しがらないミルクを口に突っ込み吐くまで飲ませ続けたりという感じの接し方でしたので)、
しんどくとも私が面会時には同席することとし、まずは頻度を年に数回レベルから再開…と考えています。」

 この最後のレスで初めて、DVによるトピ主への影響や娘さんにかつて元夫がやっていたことが明かされ、なんだか急に心配になってくるが、トピ主は元夫との面会を前向きに考え、娘が成長したときに本当のことを伝えるという決意を固めたようだ。経験者からのこんなコメントもあった。なんだかこのトピは穏やかな雰囲気で議論が続いていて本当にすごい。政治家も国会でこんなふうに議論が出来たらいいのに。

「離婚後も残念ながら色々揉めて、一時は私が前夫に養育費を払っていたこともありましたが、子供達にはいつでもお父さんに会いたいときに会える環境を整えるよう母親として努めました。 それは私が再婚をした後も続きました。前夫は子供達が自分といるときは、子供達が私に電話したい会いたいと言っても連絡することを禁じていましたが。
父親には何度もがっかりしたり傷つけられたりすることもありましたが、子供達は自分の遺伝子の半分である父親と自分との関係と格闘しながら『お父さんと僕』の物語を心に刻んで来たようです。
成人した今、子供達は、自分たちは父親を父親として愛しているけれど好きな人ではない、と言っています。
そして先日私に『色々あったけど、お母さんは父親と僕たちとの関係に対して一度も口を挟まずに、ずっと僕たちの自由にさせてくれてありがとう』と言ってくれました。
子供は真実を見抜く心の目を持っています。そして、人はそれぞれ一生かけて自分の真実を求め、見極めるという尊い働きを担っているのだと思います」

 子供は親をよく見ている。トピ主の葛藤や決断をいつか理解してくれる日がくるのではないだろうか。

ブログウォッチャー京子

1970年代生まれのライター。2年前に男児を出産。日課はインスタウォッチ。子供を寝かしつけながらうっかり自分も寝落ちしてしまうため、いつも明け方に目覚めて原稿を書いています。

twitter:@watcherkyoko

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