健康

34歳以下の若年性乳がんと、乳がん検診の現実的な課題

【この記事のキーワード】
34歳以下の若年性乳がんと、乳がん検診の現実的な課題の画像1

矢方美紀さん公式Twitterより

 10月は「乳がん」の知識を広め、早期発見を促す「乳がん月間」だ。朝の情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)は、「~3DAYS 乳がんを考える~」と題し、乳がんについての特集を放送していた。10月5日には、元アイドルグループ・SKE48の矢方美紀さん(26)が登場し、乳がんの闘病を告白している。矢方さんは、自身の体験を通して「若年性乳がんを知ってほしい」と、メッセージを伝えていた。

 若年性乳がんとは、34歳以下の乳がん患者のことを指す。乳がん患者全体の1.5%と、数字で見れば多くはない。しかし、矢方さんが教えてくれるとおり、乳がんは女性であれば誰もがかかる可能性を持っており、若い世代にとっても決して他人事ではない。一方で、乳がんの早期発見・治療についてはさまざまな課題が残っている。

 矢方さんが乳がんを公表したのは今年4月。ブログで、〈去年の12月、私の身体にずっと気になる箇所があり、周りの方にも色々と相談をして… 病院に行ってみたところ、『改めて詳しく検査を受けてください!』と言われその検査の結果で、乳がんだと判明しました〉と告白。そして、左乳房全摘出とリンパ節切除の手術を受けたことを明かしていた。

 10月1日発売の「AERA」(朝日新聞出版)で、矢方さんは、乳がんを発見するまでの経緯と闘病生活について語っている。2017年末、乳がんを取り上げたテレビ番組をたまたま観て、何気なくセルフチェックを行うと、胸にしこりを発見。乳腺外科で検査をしたところ、医師からステージⅠの乳がんであることを告げられたという。

 〈「診断を聞いた時は、どこかホッとしていました。結果を待つ間、乳がんについて自分なりに調べていたのですが、ステージⅠならまだ早期。乳がんは比較的、治りやすいこともわかっていたので」〉と述懐しながらも、その後の乳房摘出手術、抗がん剤治療には壮絶さを滲ませている。

 その時期を乗り越えた矢方さんは、〈「治療中は食事好きなものを食べられなかったり、食べられてもおいしく感じなかったり、生活が制限されてしまうので、毎日が楽しくないと思ったこともありました。でも、その時期を乗り越えたいまは、小さな幸せが一日に詰まっているように感じられるんです」〉と、明るく前向きな気持ちを語っていたのが印象的だった。

 現在、矢方さんは抗がん剤治療を続けながらも仕事復帰を果たしており、『#乳がんダイアリー 矢方美紀』(NHK)に出演。自身の闘病体験と、乳がん情報を発信し続けている。元アイドルとして活躍していた矢方さんが乳がんを公表したことは大きな反響を呼び、とくに矢方さんと同世代の若い女性にとって、乳がんについて考えるきっかけを与えている。

40歳以下の乳がん検診は全額自己負担

 乳がんは、女性であれば誰もがかかる可能性のある病気だ。国立がん研究センターの発表によれば、生涯に乳がんを患う日本人女性は11人に1人の割合という。先述したとおり、34歳以下の若い世代の罹患率は決して高くはないが、可能性はある。25歳で乳がんを発見した矢方さんや、2017年に34歳でこの世を去った小林麻央さんも若年性乳がんだった。

 厚生労働省は毎年10月を「乳がん月間」と定め、「ピンクリボン活動」などを通して積極的な検診を呼びかけている。乳がんは、早期発見・治療によって治癒率が高い病気だ。とりわけ、結婚や妊娠などのライフイベントを控える若い世代にとっては、乳がんの治療が長期にわたり、ホルモン治療中の出産はできないことを考えると、早期発見はより重要といえるだろう。

 しかし現状の制度や環境では、若年層にとって乳がん検診のハードルが高いのではないだろうか。そのひとつが、検診にかかる金銭的な問題だ。

1 2

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。