連載

「ママ友あるある」と「スピリチュアルあるある」のリアリティが詰め込まれたスリリングな小説

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Thinstock/Photo by monkeybusinessimages/Photodisc

 

 育児生活の沼として恐れられる〈ママ友〉の世界。仕事も趣味も世代もバラバラだけど、子どもが同級生という1点のみで結びついてグループ化。そのお付き合いの中では、子どもへの影響を考え、言動に気を配らねばならないシーンが多発します。ワンオペ育児をしていると同志であるママ友は心強い存在でもありますが、何かと息苦しい部分がクローズアップされがちです。

 母親たちのドラマを描いた小説『ランチに行きましょう』(深沢潮著・徳間書店)は、そんなママ友付き合いの葛藤から始まる物語。

 登場する母親は計5名。これが見事に属性ばらばらという〈ママ友グループあるある〉で、事件が起こる予感しかしない……!な~んてワクワク。女医のシングルママにステップファミリーであるブロガーママ、タレントの経歴を持つビューティフルママなど、まるで女の見本市。『おじさん図鑑』系の人間観察本が大好物な私は、キタコレとテンションあがりまくりです。

 さて、当連載がこの小説をご紹介する理由は、登場する母親のひとりが〈スピリチュアルママ 〉だからです。「子どものため」と半ば義務的に付き合いはじめたところに、とんだ地雷が埋まっていたもんだ~。このスリリングさも、何が飛び出してくるかわからないママ友界のリアルでありましょう。

 実際に当連載が行ってきたこれまでの取材でも、ママ友イベントで自己紹介をしていったら「趣味はアロマ」とサラッとアピールしつつ、マルチ物件だったなんて体験談もあったなあ(このお話はまた後日)。

 この小説に登場するスピ事件は物語の本筋ではないものの、スピったママ友に対する困惑は生々しくインパクト大。このスピリチュアルママ、さてはモデルになった女性がいるんじゃないですか? 実は当連載では昨年も、この著者の小説をご紹介しています(まるで子宮系女子!? 結婚小説『かっぱーん』が問いかける“幸せの見つけ方)。あちらは明らかに、子宮系女子がモデル。作者の深沢潮さん、相当なスピ女子ウオッチャーとお見受けしましたが。

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