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介護=女性の仕事、という役割固定化自体がよいものではないが、実際に介護が女性側の負担となっている家庭は少なくはないのだろう。ソフトブレーン・フィールド株式会社は9月28日、働いている女性745人を対象に実施した「働く女性の仕事と介護の両立に関する意識調査」の結果を発表した。
「あなたが介護を担うことになった場合、仕事と介護を両立させたいと思うか」という設問に、「両立したいと思う」と64.8%が回答。多くの女性が介護しながらも、働き続けたいと考えているようだ。
ただ、「今後、親の介護が必要になった場合、不安はあるか」と聞くと、「とても不安を感じる」(34.7%)、「やや不安を感じる」(56.5%)と9割以上が不安を感じていることがわかった。
介護に時間を費やす必要が出たとき、仕事をセーブすれば家計に打撃が加わることは自明。明治安田生活福祉研究所が、介護がキッカケで転職した人に年収の変化を聞いたところ、男性は転職前(556.6万円)だったのに対し、転職後(341.9万円)と200万円以上も下がった。女性も転職前(350.2万円)、転職後(175.2万円)と年収が半分になっている。
年収減は、介護のために労働時間を減らす必要性が出たことの影響が大きいだろう。この調査では正社員から介護のために転職した人のうち、転職先でも正社員として働いている人は、男性では3人に1人、女性は5人に1人。転職者のうち男性の3割弱、女性の6割近くがパート・アルバイトとして働いている。
そのようにして不安定な生活を送らざるを得なくなり、親の年金と自身の収入だけでは生活が行き詰まってしまい、“親子共倒れ”になるケースも少なくない。これではいずれ親の介護が必要となる日について不安を感じるのも当然だろう。
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