トヨタも参入のカーシェアリング、「所有」より魅力的でシンプルな「共有」

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「移動」の手段だけではないカーシェアの使い方

 車を所有したくない(あるいはできない)理由の負担が取り除かれれば、車を利用する人は多いということが、カーシェアリングの会員の増加からわかる、しかし、その使い方は必ずしも「移動」だけではなかった。

 NTTドコモの『「dカーシェア」、“カーシェア時代における車の使い方”意識調査を実施』によると、カーシェアリングを利用している人の40%以上が、「カーシェアを移動以外の用途で使いたい」と回答している。

 それでは実際に、どんな目的で使用しているのだろうか。同調査によると、移動以外の用途で最も多かったのが「仮眠(休憩)」の64%で、2位が「友人・家族との電話」の40%、3位が「仕事上の電話」の38%で、4位が「避暑・避寒」の34%となっている。車をひとりになりたい時の便利な避難場所として使っている、ということだろう。

 5位以降を順に紹介すると「読書」、「着替え」、「荷物置きコインロッカー代わり」、「雨宿り」、「音楽鑑賞・オーディオ」、「ケータイなどの充電」、「テレビ・DVD鑑賞」、「カラオケ」、「ハロウィンの着替え」、「夜泣きの避難場所」、「自撮り場所」、「仕事上でのWEB会議」、「小顔体操」、「英会話など語学学習の場」、「ラップの練習」、「その他」となっている。なるほど、と思わせる利用方法が回答されている。

 車というモノが、実に多目的な「個室」の機能を持っていることがわかる。ちなみに「その他」の中には「授乳」も含まれるという。車はこれほど便利なのだ。

「所有」から「共有」で焦る自動車メーカー

 移動だけでなく、さまざまな使い道のある車は「所有」するよりも「シェア」したほうが、コストパフォーマンスが良いということになる。そして実際にカーシェアリングの利用者が増えている。この現状に焦るのは、「所有」してもらうことで利益を出してきた自動車メーカーだ。

 世界市場を見渡せば、まだまだ新興国などには「所有」者が増える市場はある。しかし、国内や海外の先進諸国では、車を「シェア」することが主流になる可能性が高い。

 そうなると、日本を含む先進国での売上は先細りになると予想されるのも当然だ。もちろん、自動車メーカーには、より「所有」したくなるような魅力ある車を打ち出すという道もある。だが、いっそのこと、自らシェアリングに参入して新しいビジネスモデルを開発するという道もある。

 たとえばトヨタは、2019年春から国内で本格的にカーシェアリング事業を開始するという。強みは全国の系列販売店を拠点として活用できることだ。これは、同社が国内における新車市場の縮小に対応をし始めたことを意味している。

 トヨタのカーシェアリングでは、スマートフォンで予約から車の解錠、決済までを完結できるという。それら一連の流れは10月4日にソフトバンクとの提携が電撃発表され、大きく報じられたことで、広く一般に知られることとなった。

 「所有」から「共有」というライフスタイルの変化は、車においても大きく加速している。

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